「アー・ペー・セー(A.P.C.)」は、スタイリスト兼クリエイティブ・ディレクターのルディヴィーヌ・ポワブラン(Ludivine Poiblanc)をアーティスティック・ディレクターに任命した。1987年にジャン・トゥイトゥ(Jean Touitou)が創業して以来、社外からアーティスティック・ディレクターを迎えるのは初めて。彼女は5月20日にミラノのショールームで、6月15日にはパリのマダム通りにあるブランドの本拠地でデビューコレクションを披露する予定だ。
フランス出身のルディヴィーヌは、パリとニューヨークを拠点に活動。これまで商品開発からビジュアルアイデンティティーまで多彩なプロジェクトでファッションブランドのコンサルティングを手掛けてきたほか、「WSJマガジン(WSJ Magazine)」や「ヴァニティフェア(Vanity Fair)」「ハーパース・バザー(Harper’s Bazaar)」などのメディアとも仕事をしてきた。
就任に際し、彼女はアーティスティック・ディレクターの役割を「唯一無二の機会」とし、「これまで社内のデザインチームと共ににコレクションを手掛けてきたジャンとジュディット・トゥイトゥ(ジャンの妻)のレガシーを受け継いでいく」とコメント。「私は常に、『アー・ペー・セー』の革新的なシンプリシティーに引かれてきた。それは、さりげない捻りと紛れもないフランス的なアティチュードによって形作られ普遍的なワードローブだ」と続けた。
ローデニムで知られる「アー・ペー・セー」は、メンズとウィメンズのウエアからバッグやシューズ、アクセサリーまでのフルコレクションを提案するブランドへと発展してきた。また長年にわたり、「サカイ(SACAI)」や「ラコステ(LACOSTE)」「カーハート(CARHARTT)」「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」など数多くのブランドと協業し、カルチャー文脈での存在感を強めてきた。2023年3月には、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)が過半数の株式を取得。ジャンとジュディットは重要な少数株主として、株式を保有している。
Lキャタルトンのシニアアドバイザーも兼任するステファニー・フェア(Stephanie Phair)社長は、ルディヴィーヌの加入をブランドが新たな章へ踏み出すタイミングでの人事だと説明。「現在のビジネスは、ターゲットを絞った成長に注力している。市場におけるブランドの独自性やデニムとアクセサリーにおける豊かなヘリテージを引き続き形にするとともに視点を持った顧客に向けたウエアの提案を続けていく」と述べた。
一方、ジャンはルディヴィーヌについて「彼女は素晴らしいキャリアを通して、スタイリストとしての真の才能を示してきた。それだけでなく、彼女の人柄や個性ある着こなし、そしてウィットによって、私が1987年に創設した『アー・ペー・セー』を体現し、過去を尊重しながら未来に向けて想像力豊かにブランドの冒険に新たな章を加えてくれると確信している」と語った。