ファッション

賛否両論のデムナの「グッチ」は10点満点中の何点? 業界アナリストが辛口リポート

グッチ(GUCCI)」は2月27日、デムナ(Demna)=アーティスティック・ディレクターによる初めてのショーを開催した。期待値が高かったこともあり、賛否両論となっているこの2026-27年秋冬コレクションについて、米投資銀行バーンスタイン(BERNSTEIN)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=ラグジュアリー担当シニア・アナリストが分析リポートを発表した。

同リポートでは、さまざまな業界メディアのデータのほか、ChatGPTとグーグル(GOOGLE)のジェミニ(Gemini)によるインプット、そしてソルカ=シニア・アナリスト自身の分析を加えたものに基づいて生成AIが10点満点でスコアを作成。今季の「グッチ」は7.6点という結果となった。

ジョナサンによる「ディオール」の点数は?

同リポートでは比較対象として、26年春夏シーズンに話題を集めたデビューコレクションなどのショーを同様の手法で分析。首位はジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=アーティスティック・ディレクターが初のウィメンズを披露した「ディオール(DIOR)」の9.1点、2位はマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=アーティスティック・ディレクターを迎えた「シャネル(CHANEL)」の9.0点だった。3位は、ジャック・マッコロー(Jack McCollough)およびラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)がクリエイティブ・ディレクターに就任した「ロエベ(LOEWE)」と、ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)=クリエイティブ・ディレクターによる「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」で、いずれも8.4点だった。

なお、「グッチ」のサバト・デ・サルノ(Sabato de Sarno)前クリエイティブ・ディレクターが23年9月に披露したデビューコレクションは6.8点だった。

「ホームランとは言い難い内容だが、正しい方向に進んでいる」

ソルカ=シニア・アナリストは、「デムナによる『グッチ』のデビューショーは、ホームランとは言い難い内容で、メディアとバイヤーのいずれをも失望させるものだったが、前任のサバトのときほどではなかった。そうした意味では、少なくとも正しい方向に進んでいると言える」と指摘。また、「ジャケットやパンツは及第点だったものの、シューズとハンドバッグは退屈だったとする意見が多い。全体として、セクシーというよりは品がないというコメントも散見され、特にレギンスに批判が集まった。一方で、メディアやバイヤーの多くは、デムナのビジョンは『グッチ』のブランドアイデンティティーと共鳴していると評価しており、(トム・フォード時代などの)アーカイブを参照した“安全な”コレクションだったことへの懸念はないようだ」と述べた。

業績低迷が続く親会社ケリング

投資銀行や証券会社のアナリストが、ブランド全体ではなく、とあるコレクションやショーのみを対象としたリポートを発表することはあまりない。しかし、大手ラグジュアリーブランドの行く末がクリエイティブ(アーティスティック)・ディレクターの手腕によって左右される可能性があることを踏まえると、今後を予想するためにも、デビューコレクションやショーが注目に値することは間違いないだろう。

なお、バーンスタインは業績低迷が続く「グッチ」の親会社ケリング(KERING)について“アンダーパフォーム(弱気/売り推奨)”と格付けしている。ソルカ=シニア・アナリストは、「しばらくは業績がヨーヨーのように上下し、株価も安定しないと思われるが、今季の『グッチ』の一部のアイテムに見られるコマーシャル性の高さや、ケリングが4月中旬に発表する新事業計画を鑑みて、格付けを“中立”とする可能性もある」とコメントした。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“愛着”という新しいラグジュアリー  2026-27年秋冬メンズ・コレクション詳報

クワイエット・ラグジュアリーの潮流が続くメンズファッションでは、テーラードジャケットやコート、ミリタリーウエアやジーンズといったメンズワードローブのステイプル(定番)を基底に置いたスタイルが、引き続き提案の主軸。この間に目まぐるしく続いたデザイナー・シャッフルの様相に反して劇的な変化は見られないものの、デザイナーたちの思索の深層では、新たな価値転換が起こり始めています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。