PROFILE: 舩橋誠/YZ社長

派手なブランド展開やSNS発のムーブメント、片石貴展社長のカリスマ性などで語られがちなyutoriだが、実態はとてもクレバーで堅実だ。社風やカルチャー、組織と制度の土台作り、主力ブランドの育成術、さらにはIPOやM&Aまで、共同創業者から最初期の社員、主だった幹部まで、キーパーソン5人のインタビューを通して、急成長企業の裏側にある「王道のつくり方」を読み解く。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月16日号からの抜粋です)
「未経験」と「M&A」の調和が生み出した高成長
「9090」「HTH」など15の有力ブランドを展開するyutori子会社YZ(ワイジー)の舩橋誠社長は、同社の屋台骨を支える存在だ。同社最大のブランドである「9090」拡大の立役者であり、初期メンバーでもある。舩橋社長がyutoriに入社したのは、2019年8月。当時の正社員は実質4人ほどだった。「社員数こそ少なかったけど、当時からSNS担当などの若いバイトやインターン生が多く、ワイワイとにぎやかな会社だった。前職が営業だったので最初は新規事業の立ち上げを担当していたが、コロナ禍が来て新規事業どころじゃなくなって、アパレルチームに異動した。アパレルは全くの未経験でニット、布帛などのちょっとした業界用語すら一つもわからない状態だったので、インターンの学生の子のアシスタントを数カ月やって基礎を学んだ」という。当時のyutoriはまだオリジナルアイテムもプリントTシャツを作る程度だったが、舩橋社長が合流したタイミングで、オリジナルアイテムの拡大に注力することになる。商品の撮影ディレクションやキャスティング、コラボするイラストレーターへの直接交渉、原価計算、予算組み、ポップアップ運営―。「売り上げを作るために必要なことは全部やった」と振り返る。エクセルを見ながら、色数と原価、利益の関係を計算し、「この色数だと利益が出ないから減らしてほしい」などとブランドのディレクターに伝える役割だが、「アパレルのセオリーを知らないので、インスタの『イイね』などの反応を見て数字を逆算する、そういったことを積み重ねた」という。
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