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「GQ JAPAN」の石田潤ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントの言葉で振り返る20回目の「MEN OF THE YEAR」 イベントを通して示す「現代のジェントルマン像」

「GQ JAPAN」は昨年12月、毎年恒例イベント「GQ MEN OF THE YEAR 2025(以下、MOTY)」の授賞式とパーティーを開催した。同アワードは、エンターテインメント、カルチャー、スポーツ、クリエイティブといった多様なフィールドから、その年に際立って活躍した人物を選出し、功績を讃える同誌最大のイベントだ。

20回目の節目となった今回は「GQ MEN OF THE YEAR 2025/20th Anniversary」と銘打ち、受賞者には、俳優の高橋文哉、アーティストのアイナ・ジ・エンド、車いすテニスプレーヤーの小田凱人、大規模なオーディションプロジェクトが話題になったアイドルグループtimelesz新メンバーの寺西拓人、原嘉孝、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝、建築家の藤本壮介、ゲームクリエーターの小島秀夫、俳優の吉沢亮、ヒップホップグループのRIP SLYMEら、25年を彩ったさまざまなジャンルの面々が名を連ねた。「WWDJAPAN」はイベント後、「GQJAPAN」の石田潤ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントにメールインタビューを実施。ここでは「MOTY」を石田ヘッドの言葉とともに振り返る。

石田は「GQ JAPAN」が主催する「MOTY」について「他国では俳優やミュージシャン、アスリートを選出するケースが多いが、日本では昨年の村上隆さん、今年の藤本壮介さんのように、アートやカルチャーの分野からも受賞者を選んでいる。これは『GQ JAPAN』ならでは」と特色を語る。23年に石田がヘッドに就任して以来「GQ JAPAN」は「旧来的な『男らしさ』にとらわれず、アートやデザイン、建築などの幅広い領域に関心を持つ男性像を『現代のジェントルマン』と捉え、現代アートを軸にクリエイティブ分野への注力を強めてきた。

こうした方針は、多様なクリエイティブ領域で活躍する人々を顕彰する「グローバル・クリエイティビティ・アワード」の創設や、23年以降継続的に企画するアート特集のほか、石田が語る通り、今回の「MOTY」の受賞者選定にも一貫して反映されている。

また石田が「クリエイティブ面でも弊誌ならではのコンテンツを楽しんでいただきたい」と語るように、単なる授賞式として完結するのではなく、同イベント内外のコンテンツにも工夫を凝らすのも「GQ JAPAN」の「MOTY」の特徴だ。24年には村上隆がアワード記念号の表紙アートワークを手がけ、アフターパーティではJP THE WAVYがライブパフォーマンスを披露して来場者を魅了した。

今回のアワードでは、藤本壮介による建築的なインスタレーションで会場空間を演出。またイベント冒頭ではアイナ・ジ・エンドが「革命道中」で歌声を響かせたほか、最終盤には結成25周年を迎えて「アチーブメント・アーティスト賞」を受賞したRIP SLYMEが「熱帯夜」と「ONE」の2曲を披露し、パーティーのクライマックスにふさわしい熱気を生み出した。

授賞式の後に実施したトークセッションにも石田が率いる「GQ JAPAN」らしさは貫かれていた。特に象徴的だったセッションが、ゲームクリエイターの小島秀夫と、建築家の藤本壮介による対談だ。石田も加わり、日本のクリエイションが世界に飛躍するために必要な視点について熱い議論を展開した。この場面について「日本のクリエイターが世界を舞台に勝負するために必要なことを、お二人が非常に示唆的に語ってくれた。ほかの受賞者にも響いたのではないか」と石田は振り返る。

さらにイベントの終盤には、サプライズゲストとして、自身も21年の「MOTY」を受賞している俳優の北大路欣也が登場。NHK大河ドラマ「青天を衝け」での共演をきっかけに縁を深めた吉沢亮とのトークでは、互いの俳優人生に対する敬意がにじみ出る、密度の高いやり取りが繰り広げられた。北大路は、吉沢が主演を務めた映画「国宝」での演技に触れ、「短期間であれだけの所作を身につけ、心を伴った動きで表現していたことに感動した」と称賛。世代やキャリアを超えて交わされた率直な言葉の応酬が、会場に高揚感をもたらした。

また「MOTY」では、将来の活躍が期待される若手を表彰するカテゴリー「FUTURE MOTY」を23年に新設した。今回は、同カテゴリーの受賞者として俳優の宮崎優、細田佳央太、陸上競技の中島ジョセフ、ラッパーのKohjiyaの4人を選出。石田は「FUTURE MOTY」について「近い将来にMOTYを受賞するであろう若い才能をピックアップするもの。すでにそれぞれの分野で活躍している方達ばかりだが、来年以降、どんな進化を遂げるのか楽しみだ」と期待を口にした。

「『GQ JAPAN』では“TOKYO NEW GENTLEMEN”をコンセプトとして掲げ、『MOTY』でもその年の『ジェントルマン像』を体現する方々を選出するのが裏テーマ」と石田が語るように、20回目の節目を迎えた「GQ MEN OF THE YEAR」は、「GQ JAPAN」が注目するタレントの顕彰を通して「GQ」が描く今の時代の「ジェントルマン像」を提示した。それは、単なる成功者やヒーローではなく、多様な価値観が交差する時代において、自身のクリエイティビティーや美学を拠り所に、社会にインスピレーションを与える存在だ。石田は「今年はアニバーサリーイヤーなので日本独自のフォーマットで大規模なパーティを催したが、来年以降はグローバルのフォーマットも踏まえながら日本らしいMOTYのあり方を模索していきたい」と、アワードのさらなる進化に意欲を見せる。

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