
秋冬のメイクで注目度が高まるのがフェイスパウダーだ。ファンデーションの仕上がりを整え、肌の質感を演出するだけでなく、乾燥対策や透明感の演出にも役立つことから、ユーザーの間で欠かせない存在になりつつある。ユーザーはどのような要素を基準にフェイスパウダーを選んでいるのか?今回は、「アットコスメ(@COSME)」に寄せられたフェイスパウダーの口コミから、原田彩子アイスタイルデータコンサルティング「アットコスメ」リサーチプランナーがヒットの法則を解説する(集計期間2025年10月1~31日)。
ーーフェイスパウダーの口コミで象徴的に使われているワードは?
原田彩子アイスタイルデータコンサルティング「アットコスメ」リサーチプランナー(以下、原田):「ぼかす」だ。“ナチュラル”や“抜け感”“自分らしさ”といったトレンドが後押ししてか、「(完璧に)カバーする」から「(程よく)ぼかす」へシフトしつつあるのではないか。これからの季節は、乾燥に関わるワードが増えていくだろうと予想している。
アットコスメ2025年10月「フェイスパウダー」口コミTOP5
1位「シセイドウ(SHISEIDO)」“エッセンス スキンセッティング パウダー”
(全3色うち限定1色、各7g、各5500円)
「保湿力がありながらサラッとした仕上がりで、粉っぽさがないのが特徴。艶感を程よく残しつつ、メイクの仕上がりを損なうことなく固定してくれる点も高評価を得ている。『シセイドウ』の人気ファンデ美容液“エッセンス スキングロウ ファンデーション”[SPF30・PA+++](全12色、各30mL、各7590円)と併用するという声が多く寄せられている。しっとりしながら仕上がりを長時間キープしてくれるので、幅広い年代から支持されている」(原田)。
2位「ジバンシイ(GIVENCHY)」“プリズム・リーブル ルース パウダー”
(全5種、各2.5g×4色、各8250円)
「4色構成のフェイスパウダーはブラシで混ぜてつけると肌に均一になじみ、自然な透明感を演出してくれると人気だ。粒子が細かいので、肌にのせても粉っぽさが出ない。特に肌がくすみやすい季節やメイクが崩れやすい夏に、肌の色を整えつつ仕上がりを長時間キープしてくれるという点で高く評価されている。ミニサイズ“プリズム・リーブル・トラベル”(全5種うち限定4種、各0.75g×4色、各4180円)も人気で、お試し用や携帯用に重宝されている」(同)。
3位「コスメデコルテ(DECORTE)」“ルースパウダー”
(全9色、各20g、各6270円)
「肌にふんわりとした艶感を与えてくれて、薄づきなのに厚塗り感がなくナチュラルで上品な仕上がりになる。サラッと快適でメイクが崩れにくい点も高く評価されている。肌当たりのよい、付属のパフも好評。6000円を超える価格ながら容量が多く、一度買えば『なかなか減らない』『コスパがいい』と評価されている」(同)。
4位「ナーズ(NARS)」“ライトリフレクティング セッティングパウダー プレスト N”
(3g、3190円/10g、6160円)
「通称“リフ粉”。独自の技術で光を味方につけ、気になる肌のあらを効果的に吹き飛ばしてくれる。あらゆる肌悩みに応える“万能パウダー”として人気だ。粒子が細かく、肌がサラサラになる使用感でありながら、乾燥しない点も評価ポイントの一つ。皮脂やテカリに強く、美しい状態を長時間保ち、毛穴落ちもしにくい。日中の化粧直しが不要になる点も、多くのユーザーから支持されている」(同)。
5位「エクセル(EXCEL)」“エクストラリッチ セラムインパウダー”
(全4色うち限定1色、各17g、各2640円)
「15年から毎年冬限定で発売していた“エクストラリッチパウダー”が待望の定番化。限定品が出るたびにストック買いをしていたファンからは、『残量を気にせず安心して使える』と喜びの声が寄せられている。美容液成分をたっぷり配合しているため粉っぽくなりにくく、しっとりとした仕上がりをかなえる。『乾燥しがちな秋冬の季節に重宝しそう』と期待が集まる。カバー力の程よさや手ごろな価格帯など、今後もさらに注目が高まっていきそうだ」(同)。
ーー10月に、フェイスパウダー以外で好調なカテゴリーは。
原田:季節の変わり目により、夏場に蓄積されたダメージや寒暖差など、肌の疲れを感じる人が増加し、敏感肌・ゆらぎ肌カテゴリーに注目が集まっている。10月にリニューアルし、価格の引き下げに踏み切った「dプログラム(D PROGRAM)」が人気をけん引している印象だ。
ーー今後注目のキーワードなど、“トレンドの芽”は?
原田:インナーケアとスキンケアの関係に注目している。シートマスクで知られる「ルルルン(LULULUN)」が10月にサプリメントを発売した。また同月、ビタミンCで人気の「リポシー(LYPO-C)」からスキンケアブランド「リポシー スキンビューティ(LYPO-C SKINBEAUTY)」が登場するなど、インナーケアとスキンケアの領域横断が進んでいる。人生100年時代、ウェルビーイングの盛り上がりと共に、この流れは今後もより高まっていくと予測している。