ファッション

エディ・スリマンが手掛けた初「セリーヌ」店舗 ウッドや溶岩石を使用

 「セリーヌ(CELINE)」は2月18日、ニューヨーク・マディソンアベニューの旗艦店をアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターを務めるエディ・スリマン(Hedi Slimane)のコンセプトに基づいてリニューアルオープンした。同様に、25日から3月上旬にかけてニューヨーク・ソーホー、東京、パリの既存店が改装オープンし、年内にはロサンゼルス、ロンドン、ミラノ、上海、北京がそれに続く予定だ。

 セヴリーヌ・メルル(Severine Merle)=セリーヌ最高経営責任者(CEO)によれば、旗艦店と大型店の多くはメンズとウィメンズの両方を取り扱うが、メンズに特化するパリの旗艦店など、いくつかの店舗は男女いずれかのみになるという。「『セリーヌ』は高い認知度があるブランドだが、大型店がない。ブランドイメージと顧客層を維持するためには販路を厳しく管理する必要があり、店舗に注力しようと考えた。そのため、メンズはもちろん、ウィメンズの両方を取りそろえる旗艦店を主要な都市にオープンする必要があった。それに加えて、非常に限定的な卸先でも製品を販売する」と述べた。

 「セリーヌ」は現在、世界中で新規出店や改装を急ピッチで進めているが、これは同ブランドを擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)による期待値の高さを反映している。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは1月の決算発表の会見で、エディが率いる「セリーヌ」は正しい方向に進んでおり、売上高も数年以内には現在の倍である20億ユーロ(約2500億円)に達するだろうと語っている。

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」時代には、白と黒の大理石を多用したショップ作りをしていたエディだが、「セリーヌ」では木製の柱や家具など暖かみのある要素も取り入れられている。広さはおよそ465平方メートル。床にはグレーのなめらかな溶岩石であるバサルティナが、壁には白い花崗岩が使用されているが、これは1950年代の建築様式である“ブルータリズム”を21世紀風に再解釈したものだという。店内にはイギリス人アーティストのジェームズ・バームフォース(James Balmforth)による彫刻や、メキシコ人アーティストのホセ・ダヴィラ(Jose Davila)の作品が置かれているが、マネキンは設置されておらず、ウエアは天井からぶら下がっている長方形の枠にかけられる。メインとなるのは、2019年春夏コレクションのショーに登場した作品や、同コレクションで発表されたアメリカ人アーティストのクリスチャン・マークレー(Christian Marclay)とのコラボ製品だ。なお、ハンドバッグは入り口近くの棚に置かれ、シューズは店内奥の壁一面を使って陳列されるという。

 ニューヨーク・マディソン店のリニューアルオープンにあたり、特別なイベントは予定されていない。メルルCEOは、「世界中で行われているリニューアルプロジェクトでは、特定のイベントではなく、グローバルなコミュニケーションを綿密に取ることに集中してきた。リニューアル後の店舗は、デジタルな手法も使用しながら、『セリーヌ』の世界観をより総合的かつ誠実に伝えるものとなっている」と説明した。

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