1. “女子大生社長”椎木里佳に聞く、なぜ今韓国カルチャーがビジネスになるのか

“女子大生社長”椎木里佳に聞く、なぜ今韓国カルチャーがビジネスになるのか

連載 連載 韓国ファッションの今 EC 企業タッグ インタビュー

2018/7/6 (FRI) 08:00
椎木里佳AMF社長:1997年、東京都生まれ。中学3年時にAMFを創業し、現在は慶應義塾大学文学部に通いながら事業を展開する。女子中高生で構成される「JCJK調査隊」を率い、企業に対して10代のマーケティング調査やアドバイスなどを実施。2015年にはTOKYO GIRLS COLLECTIONの顧問に就任。18年に新サービス「kloset」をローンチした

 “女子大生社長”として知られる椎木里佳が社長を務めるAMFが3日、EC事業を手掛ける韓国のGlam Commerceと共同で、韓国・東大門市場のファッション、コスメ商材を活用したインフルエンサーによる販売チャネル「kloset」をローンチした。参画するインフルエンサーが自身でデータベースから商品を選び、EC上で簡単に販売することができる。東大門で買い付けた商品を国内で販売するインフルエンサーやEC業社は多いが、プラットフォームとしてサービスを作ったのは新しい。同サービスが目指す先について、椎木里佳・社長に聞いた。

WWD:新サービスの詳細について教えてください。

椎木里佳・社長(以下、椎木):簡単に言えば、在庫を持たないドロップシッピング型のアパレルECサイトです。インフルエンサーがデータベースから売りたい商品を選んで、在庫を抱えることなく国内に販売できます。

WWD:ビジネスモデルは?

椎木:韓国での在庫手配などをGlam Commerceという企業と組んでいるのですが、当社とGlam Commerce、インフルエンサーの3者で売り上げの利益分配をする形です。細かい取り分などは非公開ですが、インフルエンサーさんの比率はかなり高い方だと思います。

WWD:在庫はどのように手配するのでしょうか。

椎木:Glam Commerceが作ったデータベースにインフルエンサーがログインするようなイメージです。売りたい商品を選んだら自動的に韓国にデータが転送されて、Glam Commerceが東大門市場の卸業者に在庫の確認をします。そうして、翌日までにはどのくらいの在庫を用意できるか返答が来るようになっています。その後、在庫は卸業者においたまま、サンプルだけがインフルエンサーのもとに届くので、それを使って自由にSNS投稿や宣伝をしてもらい、欲しいと思ったファンにはECサイトで購入をしてもらう、という流れです。売れた商品は注文から3〜4日で韓国から直送するので、当社もインフルエンサーも在庫を抱えることはありません。全員がハッピーになれるビジネスモデルです。

WWD:場合によっては在庫を確保できないこともありますか?

椎木:卸業者はいろんな業者に販売をしているので、インフルエンサーがセレクトした時点で在庫を確保できないことはありますね。ですので、ある程度多めにセレクトをしてもらっています。コスメは1週間くらいで再生産されたりするので、在庫切れを起こすことがあまりありません。

WWD:コスメもそうですが、在庫を回し続ける東大門市場は本当に独特の市場ですよね。

椎木:実際に見て、めちゃくちゃ面白いと思いました。そもそも問屋さんがあれだけのパワーを持っているのが新鮮で、市場でも工場が直接バイヤーに対して接客しているのは、日本では想像できないですよね。

WWD:取り扱うブランドはどういったものですか。

椎木:アパレル商材は工場から卸すので、ブランド数はわからないのですが、現状は3000ほどの商品数をデータベースに登録しています。商品は毎週随時、韓国側で更新されます。コスメは20ブランド、100SKUくらいですね。基本的には国内に正規販売代理店がなくて、ここでしか買えないようなブランドをメーンに取り入れています。

WWD:参加するインフルエンサーはどのように決めているのですか?

椎木:現状まだ5人くらいなんですが、最終的には50人くらいまで増やしたいと思っています。対象としては17歳以上で、上は25〜26歳くらいまで。韓国ファッションに興味がありそうな人だったり、自分が推したい人に直接お声かけをしています。当社としては日本でのインフルエンサーのアテンドが主な仕事になっていますね。

WWD:今後の計画は?

椎木:今日本で第3次韓国ブームが来ているので、まずは日韓のビジネス基盤を整えることが目標ですが、今後は同じ仕組みを日本から台湾やタイといった韓国以外の国へ応用していくことができるんじゃないかと考えています。その際にも、仕組みとしてGlam Commerceに協力をしてもらいたいと思っています。

WWD:リアルでの展開は考えていますか。

椎木:常設店を持つのは今っぽくないので、ポップアップなどはありかなと思っています。ポップアップをやるにしても、店頭にはサンプルだけを置いて、ECで決済、自宅配送という仕組みがいいかなと思います。中高生なんかは両親からのお小遣いで買い物をしていることが多いので、親から「試着してないものを買っちゃダメ」って言われたりするらしくって(笑)。そういった方のためにも試着の場があるといいなとは思います。

READ MORE 1 / 1 なぜ今、韓国カルチャーが人気なのか

WWD:そもそも、どのような経緯でビジネスを思いついたのですか。

椎木:今回のビジネスモデルを考えたのは今年に入ってからなんですが、インフルエンサーと韓国カルチャーの相性が良さそうだというのは高校生くらいから感じていて。やるなら日本だけでは何もできないと感じていたところに、日本に進出したいという韓国企業があるとご紹介いただきまして、今回の提携が実現しました。

WWD:椎木社長自身も韓国が好きだったんですか?

椎木:そうですね。韓国ってアイドルも食べ物もカフェも、全部可愛くて、国としてカルチャーを推進していることもあって、全体的にまとまっているんですよね。「これぞ韓国カルチャーです」みたいに。それがいいなと思いました。それで、当時は太眉ブームとか赤リップが人気の時代でしたが、高校生の頃からいつか韓国と日本をつなぐ仕事をしたいと思っていたんです。

WWD:なぜ今、韓国カルチャーが人気なんだと思いますか。

椎木:よく上の人たちからは「韓国って古くない?」って言われるんですが、私たちの世代は「冬ソナ」に代表される第1次韓国ブームを知らなくて、韓国自体がすごく新鮮でかっこいいと感じるんですよね。アイドルは一時人気が落ち着きましたが、韓国コスメやファッションは私が高校生時代から徐々に人気が増えてきた感じがします。

WWD:少し違う視点で、「kloset」もまさにそうですが、最近はインフルエンサー自身が商品を売っていくようなビジネスが広がっているように感じます。

椎木:個人の時代が来ているというのはすごく感じていて、今後どんどん加速すると思っています。これを止めることはできないし、インフルエンサーや芸能人も割り切って参入すればビジネスになると思います。ブランドも、強いブランドだけが生き残って、ブランド力のないブランドは淘汰されていくんだろうと思います。

WWD:強いブランドって何ですか。

椎木:ブランドネーム自体が他のものと同視化されたら勝ちですよね。例えば、(韓国コスメブランドの)「3CE」を使っていなくても、あるメイクに対して「3CE」っぽいコスメというイメージを作ることができれば、「3CE」は世界観が確立されたということでしょうし、“インスタ映え”という言葉を生み出したインスタグラムなんかも同じですよね。

WWD:最後に、椎木社長にとってインフルエンサーってなんだと思いますか。

椎木:自分よりもアツくそのインフルエンサーのことを語るファンがいることだと思います。熱量の多いファンがついているような人。インフルエンサーって少しネガティブな使われ方をすることもありますが、私はそんなことはないと思っていて、インフルエンサーってすごい肩書きなんです。渡辺直美さんなんかは誰もが彼女のことをアツく語れるじゃないですか。まさに、インフルエンサーだなって思います。

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