ゴールドウインは7月31日、オリジナルブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の関西2号店を心斎橋パルコ2階にオープンした。2025年5月開業の京都店に続く国内5店舗目で、店舗面積約59坪は国内最大規模。フラッグシップの京都店に対し、心斎橋店はインバウンドやトレンドに敏感な層への訴求を狙うトレンドシップショップと位置付ける。
出店した狙いをゴールドウイン事業部長の木南拓也氏はこう語る。
「心斎橋パルコは、トレンドに敏感な方が国内外から来店し、ファッションだけでなく日本のカルチャー性をも感じられる場所。グローバルなお客さまにブランドを認知してもらえる機会になると考えた」
心斎橋パルコの足下の心斎橋筋商店街では「サロモン(SALOMON)」や「ミズノ(MIZUNO)」などグローバルで認知されているスポーツブランドが人気を集めている。心斎橋パルコの4階で同社が運営する「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の店舗にも、「ゴールドウイン」を求めて来店する客が多かったことも理由のひとつという。
現在、同ブランドのインバウンド比率は京都店、原宿店で約7割、その過半を中国人客が占める。心斎橋店についても「75%程度はインバウンド客になるのでは」と木南氏は予測する。
石材や木材をふんだんに
店舗デザインは京都店と同様、新素材研究所が担当した。コンセプトは「思想の地と知識の地を掛け合わせた『チ』の集積」と、そこを吹き抜ける「風」。通りに面した全面ガラスのファサードには「竹の平割」を横桟(よこざん)としてしつらえ、外の喧騒を適度に遮りながら風の気配を内へ誘い込んだ。店内には、風というコンセプトを意識して選んだアート作品を多数展示している。
売り場の中心には兵庫県で採石される生野丹波石を用いた祭壇状の石のステージを設置し、二十四節気を表現する場とした。その上には、同社の創業地である富山県の松井機業が製造した絹地を使ってあんどんに見立てた照明を配置。店内のあちこちで自然を感じられる空間となっている。
注目したいのが、サロンスペースを広く取っていることだ。「丸の内店でサロンスペースを設けてから、セット率が2.5%ほど向上した」。セット率は客単価アップの重要な要素。サロンスペースでの会話や提案力がセット率に大きく影響するため、効果的だと評価している。中国・北京の店舗などでは、1時間以上滞在する客が多く、サロンスペースの有無が売り上げを左右するといっても過言ではない。木南部長は「サロンでの接客を通じて日本人のホスピタリティーを伝えることも重要。商品の良さはもちろん、日本人の礼儀、マナーを伝えれば、欧米でも受け入れられる。ロンドンの店舗でも私たちのホスピタリティは伝わっているので、そこでの評判や認知が徐々に世界に広がっていくのでは」と期待を寄せる。
商品はスキーやアウトドア、アスレチックのパフォーマンスカテゴリーとライフスタイルカテゴリーで構成。未来への探求のためのプラットフォーム「ゴールドウイン ゼロ」の商品やコラボアイテムなどを積極的に発信していくという。
今期のブランド売上高は101億円に
同社は、売上高の約8割を「ザ・ノース・フェイス」が占める中、24年に「ゴールドウイン」ブランドのグローバル成長をめざすプロジェクト「ゴールドウイン500」を発表した。
国内では18年の丸の内出店を皮切りに、20年に原宿、25年に京都店、札幌店、今期は心斎橋店に続き、11月には福岡・天神店を開く予定だ。海外ではこれまで中国に9店舗、韓国・ソウルに1店舗、独ミュンヘンと英ロンドンに各1店舗を出店。中国大陸では今期、上海、杭州、広州、大連、寧波、北京の6都市に展開し、メガシティを中心とした出店加速を継続する。
4月にオープンした米ニューヨークシティ店はマンハッタンのソーホーとノリータの境目に位置する注目エリアに出店した。米国東海岸でのブランドの浸透と欧米での存在感を強化すると同時に、東アジア圏への波及効果を狙う。現在、中国・広州のショッピングモールでポップアップストアを展開しており、アウトドアカルチャーの発展を背景にブランド認知、顧客基盤拡大への寄与を期待している。9月には常設の直営店に移行する予定だ。
「ゴールドウイン」ブランドの27年3月期の売上高は前期比53.6%増の101億円を計画。国内は計画を上回ったものの、海外は出店時期の遅れなどにより、計画を下回る結果となった。