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伊眼鏡「イタリア インディペンデント」新CEOが語る新時代へのビジョン

 イタリア・トリノに本社を置く眼鏡企業、イタリア インディペンデント(ITALIA INDEPENDENT)の最高経営責任者(CEO)にマリオ・ピエトリビアジ(Mario Pietribiasi)氏が今年4月に就任した。ピエトリビアジCEOは日本とも縁が深く、イタリアの大手眼鏡企業サフィロ(SAFILO)在任中は極東地区の責任者として日本のビジネスにも携わり、サフィロジャパン設立にも尽力した、眼鏡業界で30年の長いキャリアの持ち主だ。「イタリア インディペンデント」は自動車会社フィアットのジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli)元会長の孫ラポ・エルカーン(Lapo Elkann)が2007年に設立し、異色のブランドとして注目を集めた。構造改革を進めるピエトリビアジCEOが目指すイタリア インディペンデントの新しい企業像とは何か。

WWD:新CEOとしての使命は?

マリオ・ピエトリビアジ=イタリア インディペンデントCEO(以下、ピエトリビアジCEO):近年進めてきた構造改革の中で、当社が保有する人的あるいは物的資産を見直し、再び成長戦略を推し進める時期にCEOに就任した。ブランドが持つ可能性を最大限に発揮できるように会社を運営していかなくてはならない。

WWD:「イタリア インディペンデント」を取り巻く市場環境はどう変わっている?

ピエトリビアジCEO:中価格帯の眼鏡市場は急激に下落しており、二極化しつつあると分析している。低価格帯の商品はコスト削減と製品の標準化が求められており、一方の高価格帯の商品は高品質に加え、そのプレミアムな価格を正当化すべく高い技術力を盛り込んだ製品が生み出されている。当社は、「イタリア インディペンデント」をよりハイエンドにリブランディングしていく必要があると感じている。そのため細心の注意を払いながらデザインや品質、さらには機能性について研究を重ねている。この点においては、すでにイタリア本社と国外の新しいパートナー、特に日本のパートナーと新たに取り組みを始めているところだ。これにより、商品のデザインと品質の両面でもう一段階上のレベルに引き上げることができると信じている。

WWD:「イタリア インディペンデント」の強みとは?

ピエトリビアジCEO:ファッションとデザイン、伝統と革新を融合させたクリエイティブでスタイリッシュなブランドであるということだ。商品に刻印された「ハンドメード・イン・イタリー2.0(Hand Made in Italy 2.0)」は、単に生産地を示すものではなく、伝統的なモノ作りに敬意を払いながらも、バージョンアップされた現在進行形のイタリアン・クラフツマンシップを体現していくという私たちの決意表明でもある。眼鏡における古典的なアイコンを私たちなりに再解釈し、最新技術を取り込んで作っている。加えて、「イタリア インディペンデント」自体が、製品、流通、およびコミュニケーション戦略等のさまざまな観点から、今日の眼鏡市場の中で“インディペンデント(独立した)”な存在であることも一つの強みであると考えている。

WWD:現在の「イタリア インディペンデント」のビジネスはどのように推移している?

ピエトリビアジCEO:ケリング(KERING)に代表される大手ファッションコングロマリットによる傘下ブランドの内製化や、大手眼鏡店チェーンなどによる低価格商品の市場投入など、眼鏡業界は変化している。その中で、当社は収益性の低い会社資産を処分し構造改革を断行することで、スリムで筋肉質な組織化を実現した。これは残念ながら短期的には売り上げの減少をもたらしたが、当社が新たな方向に動き出そうとしている今、私は今後の持続的な成長を確信している。

WWD:日本の「イタリア インディペンデント」のビジネスに対する評価は?

ピエトリビアジCEO:日本のビジネスは、「イタリア インディペンデント」全体の今後の成長の土台をなす重要なものだと考えている。現在、日本では徹底した市場分析を行い、眼鏡専門店、百貨店およびファッションのセレクトショップへの導入を進めており、2018年は前年度と比較し売り上げは大きく躍進した。日本市場が持つポテンシャルは非常に大きく、グローバル戦略の中で日本を重要市場の一つとして位置づけている。アジアン・フィッティングを含むコレクションの開発など、日本における新しいプロジェクトを進めているところだ。これにより当社の存在感はさらに強まると思う。

WWD:今後の成長戦略は?

ピエトリビアジCEO:まず、年間のコレクションプランを策定している。素材の研究開発や独自性の強いデザインの創出、品質向上など、シーズンごとにヒット商品を販売していくことを目指している。これに加えて、サステイナビリティーについても力を入れていきたい。革新的なツールや独自の方法などを駆使して環境への配慮を考える。サステイナビリティーは、今後数年間で当社の成長の基本的な柱になる予定だ。