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「フジロック‘19」にも出演する2019年に知っておくべきバンド、Tempalay 令和時代に奏でる“平成からのメッセージ”

 「フジロックフェスティバル´15&17(FUJI ROCK FESTIVAL’15&17)」やアメリカの大型フェス「SXSW」に出演、2度にわたる中国ツアーを行うなど、注目の新世代ロックバンドTempalay(テンパレイ)。2018年7月から小原綾斗(オハラ・リョート/ Gt.&Vo.)、藤本夏樹(フジモト・ナツキ / Dr.)、AAAMYYY(エイミー / Cho.&Syn.)による新体制として活動。同年9月にはミニアルバム「なんて素晴らしき世界」を発売した。19年6月5日には新アルバム「21世紀より愛をこめて」をリリースし、6月6日からは全国ツアーを行うほか、「フジロック’19」(7月27日)への出演も決定している。20~30代を中心に人気を集める彼らに新アルバムに込めた思いを聞いた。

WWD:Tempalay(テンパレイ)というバンド名の由来は?

小原綾斗(以下、小原):よく聞かれるんですが、意味はないですね。メンバーと居酒屋で酒を飲みながら考えて、略されないバンド名がいいなという思いはあったんですが、それ以外は響きで決めました。「意味がないことに意味がある」みたいことでもないです。

WWD:自分たちのジャンルは意識する?

小原:まったくないですし、ジャンルに対してもこだわりはないですね。みんな聴いてきた音楽も違うので、「こんなジャンルの音楽やろう」という決意を持って始めた訳でもないので。

WWD:皆さんが子どもの頃に聴いていた音楽は?

小原:僕はもう完全にブルースとかオールドミュージック。ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、ザ・ホワイト・ストライプス(The White Stripes)はよく聴いていました。あとは、銀杏BOYZ。銀杏BOYZのアルバムが発売されたのが中学2年生のときで、どんぴしゃの世代でした。

藤本夏樹(以下、藤本):僕はもともとLUNA SEA(ルナシー)とか1990年代のビジュアル系を聴いていました。そこから洋楽を聴くようになって、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)とかシューゲイザー系の音楽が好きになりました。Tempalayを始める直前はテーム・インパラ(Tame Impala)とか聴いていました。

エイミー:私はザ・ビートルズ(The Beatles)やカーペンターズ(Carpenters)から入って、本格的に音楽を聴くようになってからはテーム・インパラとかゴリラズ(Gorillaz)とかをよく聴いていましたね。

WWD:昨年メンバーチェンジがあったが、変わったことは?

小原:エイミーは2015年からずっとサポートメンバーをやってくれていて、ライブや曲作りも一緒にやってきたので、音楽的な部分は何も変わらないです。ただ、メンバーとしてメディアに一緒に出るようになって、Tempalayの見られ方は変わってきました。これまでは集合体として見られてきたのが、個々がよりフォーカスされるようになりました。

WWD:6月5日にサードアルバム「21世紀より愛をこめて」が発売される。昨年ミニアルバムを発売しているが、ミニアルバムとフルアルバムの違いは意識する?

小原:録音されている曲の長さとかです。だから作る内容に関しては変わりがなく、今回のアルバムがサードアルバムだからとかはまったく意識していないです。自分たちの状況の中で、ライブでこんな曲が必要だなっていうのでアルバムを作りました。

WWD:今回のアルバムで伝えたいことはある?

小原:自分がこれまで生きてきた“平成のニオイ”を後世に残せたらいいなっていう思いはあります。今回はボイジャーレコード(※)がテーマなので、できれば物(CD)で買ってほしいです。ただそういった全体のテーマはあるんですが、音楽を通して伝えたいことは特になくて、その空気感を感じてくれればいいかなと思います。

※ボイジャーレコード:1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機に搭載されたレコード。地球の生命や文化の存在を伝える音や画像が収められており、地球外知的生命体や未来の人類が見つけて解読してくれることを期待している

WWD:平成が終わったタイミングで出すというのは意図している?

小原:特に意識はしていないです。たまたまタイミング的にアルバムを出すことになって、それなら平成と絡めて作ろうかなと思いました。これまで“万物の始まりから終わり”“音の世界を浮遊する旅”という、SF的なテーマでアルバムを作ってきました。今回はよりリアルというか、自分の生きた時代の備忘録的な要素もあります。平成が終わったこのタイミングにせっかく出すのでという感じです。

WWD:今回のアルバムには前回のミニアルバムに入っていた「どうしよう」と「SONIC WAVE」の2曲が入っているが、それは最初から決めていた?

小原:最初は入れる予定はなかったです。ミニアルバムの世界観がこわれるかなっていう思いがあったんですが、アルバムを作っているうちに、この2曲が入ることでより完成度が高まるなと思い、入れることにしました。

「どうしよう」のMV

WWD:「どうしよう」は去年、韓国のBTS(防弾少年団)のRMがツイッターで紹介して話題になったが、影響は感じている?

小原:そこまで影響は感じていないのですが、スポティファイでの再生回数は増えましたね。

WWD:作詞作曲は全部、小原さんがやっている?

小原:そうですね。僕がやっています。

WWD:曲はどう作っている?

小原:曲はギターで作って、それをロジックに落とし込んでみんなに聞かせています。まずは曲が先で、最後に詞を作る。詞のストックはしないので、その都度考えています。詞を考えるのは大変で、外だと落ち着かないので部屋の中をずっとぐるぐる回りながら考えています。

WWD:6月6日から全国ツアーがスタートするが、チケットが即完売するエリアも多く、人気を感じている?

小原:認知度が高まっているのは感じます。興味を持ってくれている人が増えている中で、このツアーで最高のライブをしてファンを増やしていかないといけない。正念場だなと思っています。初めてTempalayのライブを見るお客さんもいると思うので、圧倒的なライブをしたいです。

藤本:新曲もたくさん演奏するし、初めての場所っていうこともあって不安も大きいですが、満足してもらえるようにやるだけです。

エイミー:こんなにツアーでたくさんの場所を回ったことはないし、いろいろな人に出会えるので楽しみです。

WWD:今年は「フジロック」にも出演が決まっている。

小原:もともと「フジロック」に出たくて作ったバンドでもあるので、やっぱり出られるのはうれしいし、楽しみです。

WWD:いろいろな取材で売れたいといっているが?

小原:そうですね。ミュージシャンで上を目指すときりがないのですが、最低でもちょっといい生活ができるようにはなりたい。

WWD:こんな会場でやりたいっていう目標は?

小原:会場はそこまで求めていないのですが、大きい場所でやりたいとは思っています。

WWD:3人とも個性的だが、ファッションのこだわりは?

小原:下北沢の古着屋にいくことが多いですね。あとは、高円寺の「深緑」というお店には衣装を借りたりしてお世話になっています。

藤本:僕はダサいものが欲しくなるんですが、最近はごちゃごちゃし過ぎないようにはしています。古着屋の「BOY」とか、あとはメルカリでも結構買っています。好きなブランドはお仕事をさせてもらっている「ミスターオリーブ(MR.OLIVE)」です。

エイミー:女性らしい服はあまり着ないですね。着心地を意識して服は選んでます。「BOY」と、「ビームス(BEAMS)」「ギャップ(GAP)」「ウィンダンシー(WIND AND SEA)」「アディダス(ADIDAS)」など、一緒にお仕事したブランドのところにはよく行きます。ミュージシャンとして、ファッション企画に呼ばれることも多いです。

WWD:趣味はある?

小原:僕は基本的に酒しか飲んでないです(笑)。家にいる時はたいていお笑いのユーチューブ見てます。いざ聞かれると、自分の趣味のなさにびっくりしますね。ちょっと考え直していきたいです(笑)。

藤元:今まで食に興味がなかったのですが、最近カレーにはまっていて、おいしいカレー屋さん探しが趣味。今は代々木八幡の「スパイスポスト」が好き。

エイミー:私も基本は家から出ないので、そうじ、料理、ネットTVが趣味。でも仕事で休みがほとんどないけど、旅行しているみたいで楽しいですね。

WWD:今後の目標は?

小原:自分たちの可能性が見えてきたので、うまく次につなげていきたいです。