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ラカグの「アコメヤ」は何が面白いのか? 1時間で完売するワークショップなど“コト”が充実

 サザビーリーグは3月30日、東京・神楽坂の商業施設「ラカグ(la kagu)」を「アコメヤ トウキョウ イン ラカグ(AKOMEYA TOKYO in la kagu)」としてリニューアルオープンする。初年度売り上げは7億5000万円を目標にする。

 「アコメヤ トウキョウ(以下、アコメヤ)」同様、“1杯の炊き立てのごはんから、つながる幸せ”をテーマに米や食品、“上質なたたずまいを感じる暮らし”を提案する器や調理器具、ビューティケア雑貨をそろえる。加えて、銀座本店のみで展開していたレストラン「アコメヤ厨房」、初のカフェ業態「アコメヤ茶屋」、寛永15年(1638)から380年続く熊本の老舗「白玉屋新三郎」のカフェ業態「シラタマサロン新三郎」を併設する。そのほか、「ラカグ」限定パッケージ商品なども並べる。

 業態変換の理由を高井伸夫アコメヤ事業部事業部長は「商品調達、物流、生産者とのパイプがつながり、インフラが整った」と話す。新潮社と組んで「ラカグ」をオープンした14年10月のタイミングで食を提案する店という案もあったというが、当時「アコメヤ」は始動して1年足らずだった。「時が来た。神楽坂と『アコメヤ』の親和性は高い」と力を込める。

 「アコメヤ」は13年4月に銀座に1号店をオープンし、その後ニュウマンに2店舗目を開いて以降は2店舗体制が長かった。18年に入ってからは一気に多店舗化が進み1年間で8店舗をオープンし、今回の業態変換で11店舗体制になる。19年3月期の売上高は「17億円を予定する。20年3月期は25億円を計画する」と高井部長は語る。

 「キラーコンテンツは足で稼いだ日本全国のうまいもの。百貨店にはない逸品をそろえている。こだわりの生産者と作るプライベートブランド(PB)も強みだ」と胸を張る。高井部長は西友でのキャリアも長く、直近はサザビーリーグのアフタヌーンティーに携わった。「PBは通常売価の設定から良質で安いモノを作ろうとモノ作りが始まるが、『アコメヤ』の場合、生産者の『こうしたらもっとおいしくなる』というアイデアから始まる。量販店向けでは売価が上がるためできないことも、『アコメヤ』とのPBではできる」。例えばフリーズドライの味噌汁は、大手では120~140円程度だが、220円で提供する。「アコメヤ」で人気を集めるだしを用いて、そのだしに合う具材を選ぶ。「メーカーと共に丁寧においしいものを作りたい」という思いがあり、食品のPBの監修は熊谷喜八氏が担当している。PBは食品だけではなく、ビューティケアにまで広がっている。「PBの開発が進みお披露目する準備が整った」と高井部長。

 「客単価は『ラカグ』時代に比べて7分の1程度になるだろう。7倍売らなければならないが、買い上げ率は上がる」と高井部長は言うが、そのエンジンとなる1つが2階で行うワークショップだ。インド料理ファンのために「アコメヤ」で扱う米と合うカレーを提案する「LOVE INDIA」は、80人限定のイベントだがすでに2回目まで満席だという。また、高橋雅子氏によるパン教室のチケットは1時間で完売したという。そのほかにも、店の前のスペースを用いて、無農薬野菜の限定青空市などの企画も用意する。「学ぶ、体験するといった“コト”を提案する場を提供する」ことで、“モノ”も動いてゆくということだろう。