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YKKが量拡大に注力、4年後にファスナー販売4割増の129億本に

 ファスナー大手のYKKは4月から、4カ年の中期経営計画をスタートする。2020年度をターゲットにファスナーの年間販売を、2017年度対比1.4倍の約129億本に拡大する。同社はマーケットとして世界的に成長の続くカジュアルウェアやファストファッションなどのボリュームゾーンを“スタンダード”と定義。新しい機械や加工設備を世界の主要工場に投入する。4月1日付で社長に就任予定の大谷裕明・副社長は、「ECやファストファッションの台頭で、世界のアパレル産業は大きく変わりつつある。これまで当社は品質やグレードでマーケットを切り取っていたが、単純にボリュームが大きく、成長しているカテゴリーをスタンダードと定義した。総力を挙げてこのマーケットを取りに行く」と語った。

 YKKは2016年度に、全世界で87.7億本のファスナーを販売。全世界で400億~500億本と呼ばれるファスナー市場の約2割程度のシェアを持つ。4年間で販売本数1.4倍という数値目標は野心的だが、「世界のアパレル生産は中国の一極集中から、ベトナムやバングラデシュなどのアジア各地に分散しつつある。各地に生産拠点を持つわれわれの強みが生きる」として、これまで中国や日本などの一部の生産拠点に留まっていた最新鋭のファスナー製造装置を、ベトナムやインドネシア、インド、バングラデシュなどにも導入する。

 同社は当初2016年度にファスナー販売100億本を掲げていたが、米国での消費不振などの煽りを受け、16年度は売上高で前年比10%減、営業利益は同23%減に留まった。大谷次期社長は「新型機の投入で低価格品にも対応できるようになったが、“スピード”が足りなかった」と振り返る。主力の中国工場では取っ手やカラーなどの多彩なバリエーションの商品を短納期で納入する生産体制を構築しており、今後はアジアにもこうしたノウハウや設備を導入する。

 また、ファスナー設備の生産では、研究開発部門と機械の生産部門にあたる工機技術本部にロボットやIoTを導入し、省力化を進める。すでに現在600台のロボットが稼働しているが、4月から新たに本社のある富山県の黒部事業所に「先進ロボットFAセンター」を設置。ファスナーに特化した新たなロボット開発に取り組む。

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