(右)本橋涼介/ヘッドリポーター:コレクション出張から帰国後、トレンドのリネン&シアー素材のサマーニットをさっそく購入。しかし心ない社員に「なんかセクシーじゃ〜ん」とイジられ、あえなく封印 ILLUSTRATION : UCA
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月27日号からの抜粋です)
若者の価値観が
メンズ服を更新する
藪野:今回は2027年春夏メンズコレ第2弾のトレンド特集です。メンズのファッションシーンにおいて、制限の多いメンズウエアや旧態依然の男らしさをいかに解きほぐすかはここ数年の大きなテーマですが、今シーズンはしなやかになったと感じました。象徴的なのは、表紙に採用した「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」です。ウィメンズで経験を積んだジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)は、フェミニニティーやランジェリーにつながる要素をとても自然に落とし込んでいましたよね。今の若い世代にとってジェンダーの境界はより曖昧になっていますし、そうした価値観を肌で理解しているデザイナーたちの感性がメンズウエアの表現を更新しているように感じます。
本橋:街中でも、シアーな素材のアイテムを上手に取り入れている若い男性をよく見かけます。消費者の間でも、ジェンダーに対する価値観は変わっていますよね。
藪野:シアーは、引き続き暑い夏の着こなしに欠かせない。それに加えて、軽やかに仕上げたテーラリングも目立ちました。特にルールの多いカテゴリーですが、多くのブランドが自由にアレンジしていて、物欲が高まりました。
涼やかな
リネンが気分
本橋:レオ・デル・オルコ(Leo Dell'Orco)による「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」もとても今っぽく共感性の高いクリエイションでした。ブランドらしさを通底させつつ、抜け感のあるシルエットによって、30〜40代がリアルに着たいと思える服に進化しています。そのほか僕が気になったのは、リネンの提案です。猛暑でシャカシャカとした高機能素材が浸透する中で、天然素材ならではの風合いが今となって新鮮に映りました。
藪野:確かにこれまでリネンはリゾートウエアのイメージが強かったけれど、日常着への活用も増えています。さらっとした着心地を実現するために他の素材と混紡したり、洗いをかけてくたっとした風合いを生んだりと、さまざまな提案が見られましたね。ボトムスは、ショーツがやっぱり多かった。日本は連日猛暑のようですし、来春夏もさらに広がるのでは?
本橋:日本のSNS界隈では“ハーフパンツおじさん論争”などと話題になったりもしてますが(笑)、実際、アラウンド膝丈のバミューダパンツは、コンサバティブなシャツなどと合わせても新鮮なバランスに見えますし、おしゃれアイテムとして浸透しそうな予感がします。