ファッション

ドリス・ヴァン・ノッテン独占インタビュー�A

 2013年春夏シーズン、エディ・スリマンによる新生「サンローラン」とラフ・シモンズによる「ディオール」初のプレタポルテが話題を独占した。かに見えたパリコレクションで、多くのジャーナリストとバイヤーをうならせたのが「ドリス ヴァン ノッテン」だ。「すべては想像を超えている」というメッセージを、意表を突いた素材と色使い、シルエットやスタイリングの対比で“グランジクチュール”を表現し、見る物を圧倒した。今シーズンのコレクションはどのように生まれたのか?また第一線で活躍し続ける秘訣は何なのか?ドリス・ヴァン・ノッテンにショーの後日メールインタビューを行なった。

 

 

“成功の秘訣?インディペンデントなデザイナーであること。アントワープに住んでいることでしょうか”

WWD ジャパン(以下、WWD):ユニークなプリント、ニュアンスのあるカラーパレット、リラックス感漂うスタイルなのにエレガント。ショーに登場する洋服は「今すぐ着たい」というものばかりだが、洋服を作る時、最も重視している点は?

ドリス・ヴァン・ノッテン(以下、DVN):リアルな人が、リアルな場所で、リアルな生活の中で着られる服であること。

 

WWD:そしてそのコレクションは、多くの人が共感できるものになり、結果的にビジネスも順調に成長している。そんなブランドはほかを探しても少ないが、成功の秘訣は?


DVN:インディペンデントなデザイナーであること。アントワープに住んでいること。自分のペースで、自分に合った方法で仕事をする時間に恵まれていて、一緒に働いてくれるチームがあること。アントワープは大都会から離れているので、私たちは客観的な考え方を持つことができる。十分なスペースを持つこともできる。私は年間6 回から8 回ものコレクションを作るような、がむしゃらな競争に興味を持ったことはほとんどないし、年4回で十分だと思っている。そして、私たちが一度も広告を打ったことがないこともあるかもしれない。だから人々はより自由に、自分たちの方法で、私たちの服を楽しむことができるのではないでしょうか。


WWD:アントワープで生まれ、アントワープで育ち、学び、アトリエを構えているが、アントワープはクリエイションにどのような影響を与えているのか?


DVN:アントワープは、今までもそしてこれからも、私のホームタウンです。古くからヨーロッパの重要な港として栄え、そして様々な文化が入ってきた。こんな街は世界のどこにもないし、だからこの街が好きなのです。私のコレクションは、アントワープを訪れる様々な人々がもたらすものから、ベルギー、フランス、ドイツ、そしてこの街をホームタウンと呼ぶその他多くの国の文化や伝統までを取り入れようとするアントワープの人々から生まれるのです。


WWD:ずっとトップデザイナーとして活躍しているが、ファッションデザイナーとしての一番の転機は?


DVN:大きなグループ企業が小さなメゾンを買収していた1990年代でしょうか。当時、インディペンデントであり続けることが適切であることなのかを自分たちに問いかけた。それが、財政的に存続しうるのか?と。ただ、未来がどこにあるのかわからないが、ファッション業界の様々な変化の中で、私たちがこれまでやってきたことを続けていけば、それがふさわしい道となるのだ、とポジティブに考えている。


WWD:将来見据えているものは?


DVN:未来を映す水晶玉を持っていたらわかるかもしれないですね(笑)。

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