ファッション

伊フレグランス「ドットール・ヴラニエス」創業者インタビュー”香りは空間演出に大切な役割を果たす”

2012年11月、イタリア・フィレンツェ発祥のフレグランスブランド、ドットール・ヴラニエスの海外直営店第1号の代官山店が1周年を迎えた。これを記念し、ブランドの創設者であるパオロ・ヴラニエスが来日。インタビュー当日は、自身のために調香したというベルガモット系の未公開のフレグランスをまとって登場。前週に行なった代官山店でのカウンセリングの様子や新作の誕生秘話を聞いた。

 

—代官山直営店でカウンセリングを受けられた日本のお客さまの印象はいかがでしたか。

 日本人はとても勉強熱心な印象を受けました。香りの構成やディフューザーの使い方など、香りを理解しようとする姿勢がみられ、アドバイスしていてとても楽しかったです。

 

—どのようなアドバイスをされたのですか。

その人の部屋の壁紙や家具の雰囲気、香りの好みを聞いて、マッチすると思う香りを提案しました。イタリアではリビングルームやベッドルームなど、部屋ごとに香りを変えておすすめしていましたが、日本ではあまり部屋が大きくないのでその代わりに季節やその人の好みにあった香りを1〜2種類選ぶようにしました。

 

—ドットール・ヴラニエスを立ち上げたきっかけを教えてください。

以前は、スパ向け化粧品商材の開発に携わっていました。その仕事の中で、香りが空間演出において大切な役割を果たすことに気づき、ルームフレグランスに興味を持ち始めました。

 

—だからルームフレグランスが充実しているのですね。

そうかもしれません。友達が家に遊びに来た時、自分らしい空間でおもてなしができるのはルームフレグランスの魅力ですね。フレグランスも手掛けているのですが、ルームフレグランスは奥が深いと感じています。

 

—新しい香りは、どのように思いつくのですか。

日常生活の何気ないことがきっかけです。旅行先の風景や散歩で感じた風などがインスピレーションになることもあります。インスピレーションが沸いたら、約2000のエッセンスからそのイメージに近い香りを選び出していきます。

 

—新作の「カルヴァドス」は、どのようなきっかけで生まれたのですか。

友人が飲んでいたお酒からインスピレーションを受けました。カルヴァドスは元々、林檎を原料とする蒸留酒の名前です。普段、お酒はあまり飲まないのですが、他のお酒にはない、繊細でロマンチック、そして優雅な香りを表現したいと思いました。トップはアップルとベルガモットのフルーティなノートで始まり、やがてロシアンコリダーやペッパー、パセリがフレッシュな印象を、サイプレス、シダーウッド、サンダルウッドが奥行きを与え、最後に熟成された証であるタンニンが深みを与えます。

 

—今後のビジョンを教えてください。

フィレンツェで採れる原料のクオリティーの高さや手作りのボトルの魅力など、ドットール・ヴラニエスの魅力をより多くの人に広めていきたい。現在は25ヵ国で展開しているが、今後より多くの国に販売網を広げたい。あと、もちろん新しい香りの開発も。これはまだ教えられないけど楽しみにしていてほしい。

 

 

「カルヴァドス」

(250ml)1万5750円 付属品:バンブースティック10本

(500ml)2万3100円 付属品:バンブースティック12本

(500ml)4万2000円 付属品:クリスタルグラス、バンブースティック20本

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