ビジネス

ファーフェッチが韓国市場で事業拡大 親会社クーパン傘下のショッピングアプリと提携

韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が保有する高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)は、クーパンが運営する高級ショッピングアプリ、アラックス(R.LUX)と提携し、韓国市場での事業拡大を目指す。

アラックスアプリで「ファッション」タブを選択すると、ファーフェッチの取り扱いブランドが表示される。海外でのフルフィルメント業務はクーパンが、韓国国内での配送はアラックスが担い、送料無料で商品を届ける。また、商品の代金に関税などをあらかじめ含めておくことで海外通販の障壁を取り除き、ユーザーの利便性を高めるという。

ファーフェッチのスティーブン・エグルストン(Stephen Eggleston)最高商務責任者は、「これはファーフェッチと提携しているブランドにとって、韓国のラグジュアリー購入層に直接アクセスできるユニークな機会だ」と話す。また、提携ブランドの1つである「ミッソーニ(MISSONI)」の広報担当者は、「ファーフェッチとのパートナーシップがさらに進化し、とてもうれしく思う。今回の提携は、当ブランドの商品を(韓国にいる)多くの熱心な消費者や顧客に迅速に届けられる素晴らしい機会だと考えている」と述べた。

ファーフェッチとクーパンについて

現在、ファーフェッチは1400のブランド、ブティック、百貨店を取り扱っており、190カ国以上の顧客にサービスを提供している。アラックスは2024年10月、ラグジュアリービューティECとして設立。現在はファッション分野の強化を図っており、韓国のデザイナーズブランドなども取り扱っている。

クーパンは、“韓国のアマゾン”とも呼ばれるeコマース企業。本社は米シアトルにあるが、韓国やアジア各地にもオフィスを構えており、韓国語サイトで家電や生活雑貨、消費財、衣類、食品などを扱っている。同社は23年12月、経営破綻の瀬戸際にあったファーフェッチを買収。24年8月には、ファーフェッチの企業向けECプラットフォーム事業、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)を終了することを明らかにした。これは主軸のマーケットプレイス事業に注力するためだという。

ファーフェッチが買収される前、最後に行った決算発表は23年4~6月期(第2四半期)で、通期で最後に発表した22年12月期の売上高は前期比3%増の23億ドル(約3312億円)だった。クーパンによれば、24年12月期におけるファーフェッチの売上高は16億5800万ドル(約2387億円)となっており、回復基調にあるという。

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