1月14日(現地時間)、映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のプレミアがイギリス・ロンドンのBFI サウスバンク(BFI Southbank)で行われた。主役を務めるティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)は、なぜか市内でレンタルできる電動自転車ライム(Lime)に乗って登場。レッドカーペット×自転車というシュールな光景で、会場の人々を驚かせた。
ネイビーブルーのカスタムスーツを着用
今作で演じた若き日のボブ・ディラン(Bob Dylan)を完全再現したり、ベイブレード片手にプレミアに登場したりと、本映画のプロモーションでもいつも通り自由なファッションを楽しんでいるシャラメ。今回は「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」からネイビーのカスタムスーツと、ブラックとブルーの花柄シルクシャツをスタイリッシュにスタイリング。アクセサリーには蛇皮のベルトと輝くチェーンネックレスを選び、足元は「マーティン ローズ」のブラックのレザーシューズで引き締めた。
インパクト大のこのシャツは、ディランが1965年にアメリカのフォークミュージシャンのジョーン・バエズ(Joan Baez)とロンドンを訪れ、ザ サボイ(The Savoy)ホテルの庭園で写真を撮られたことにちなんでいるのだそう。
モニカ・バルバロ
レッドカーペットには、ジョーン・バエズ役を演じたモニカ・バルバロ(Monica Barbaro)も登場した。ドラマティカルなフード付きのユニークなマーメイドドレスは「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」のもの。アクセサリーを最小限に抑えることで、個性的でありながらも落ち着きのある雰囲気に仕上げている。
劇中コスチュームに注目!
レッドカーペットルックだけでなく、コスチュームデザイナーのアリアンヌ・フィリップス(Arianne Phillips)が手掛ける劇中衣装も見逃せない。先日発表された英国アカデミー映画賞のベストコスチュームデザイン賞候補に3度目のノミネートを果たした彼女は、今最も注目すべきスタイリストの一人だ。
映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」は世界的ミュージシャン、ボブ・ディランの若き日の物語。1960年代初頭のニューヨークを舞台に、ミネソタ出身の無名ミュージシャンであった彼がスターダムを駆け上がる様子を、実際のストーリーに基づき描いている。
フィリップスは、シャラメにモーターサイクルジャケットとディランがザ・ビートルズ(The Beatles)と過ごした時代にインスパイアされたスキニースーツを着せ、内気な性格を隠すためにダークサングラスをかけさせることで、有名な謎めいたシンガーソングライターのペルソナをスクリーン上に作り上げた。
今回のスタイリングのポイントは“色”にある。中でもディランがよく着るスエードジャケットは、彼が名声を得るにつれて暗い色に変化させることでアメリカ公民権運動、反ベトナム運動、社会現象“サマー・オブ・ラブ”の前触れなど、60年代の高揚した雰囲気に反した彼のミステリアスな空気感を表現している。
映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の日本公開は2025年2月28日。鑑賞する際はぜひ、衣装にも注目してみてほしい。