サステナビリティ

アシックスが再生可能スニーカー“ニンバス ミライ”発売 ランニングシューズの主力品番で実現

アシックスは4月12日、リサイクルできるランニングシューズ“ニンバス ミライ(NIMBUS MIRAI)”を発売する。国内ではアシックスラン 東京丸の内、アシックスフラッグシップ原宿、アシックスストア大阪と公式ECで限定販売し、価格は2万2000円。「当社のカテゴリー別売上高で一番大きいのはパフォーマンスランニング分野(売り上げ全体の50.1%)であり、その中で最も売れているモデル“ニンバス”シリーズでリサイクル可能なシューズを出すところに、われわれの(循環型ビジネスへの)本気が表れている」と上福元史隆フットウエア生産統括部マテリアル部部長は話す。

「リサイクル可能であると同時に、パフォーマンス性、デザイン性も妥協しない」ために試行錯誤を重ねた。開発にかけた期間は3年7カ月。一般的にシューズのリサイクルでは、①アッパーとソールの分離、②アッパーが単一素材ではないこと、③回収・リサイクルの仕組みが整っていないことの3点が障壁になるというが、①についてはアシックスが独自開発した熱処理で分離できる接着剤を使用し、アッパーとソールの分離を可能にした。

②は、通常は数十種類の素材が使われるというアッパーをポリエステルのみのニット製にし、うち75%以上に再生ポリエステルを使用。ハトメなどもポリエステルで作り、単一素材ゆえ回収後に高い精度での再生が可能となる。スニーカーのアッパーには、伸縮性のためにナイロンなども使われるが、「ポリエステルは特にアパレル分野で循環のループができつつあるため、(再生して汎用性が高い)ポリエステルを使用することにこだわった」。伸縮性に欠けがちなポリエステルでも、編み地を変化させることで肌あたりや伸縮性を調整したという。

③の回収システムでは、米テラサイクル社とパートナーシップを組んだ。消費者が使い終わった“ニンバス ミライ”は回収後に米国に送ってリサイクル工程に投入、PET原料にして再度紡績する。試験段階ではアッパーの87.3%がPET原料として再利用可能で、実際に“ニンバス ミライ”のニットアッパーから再び“ニンバス ミライ”のニットアッパーができている。

日本、欧州、豪州、北米で発売

開発にあたっては、日米のR&Dチームが日本の自治体として初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」をし、廃棄物の抑制やリサイクルに注力している徳島・上勝町を訪れたという。「アシックスと名乗らずに現地リサイクルセンターで話を聞いたところ、再資源化できない廃棄物の3つのうちの1つがシューズだという話が出て、リサイクル可能なシューズの開発を改めて決意した」。

価格は通常の“ニンバス”シリーズよりも2000円ほど割高。「ポリエステル単一素材にすることで特殊材料が必要になり、コストが上がっている。リサイクルシューズの販売規模が他社も含め拡大すれば、価格は下げられる」と期待する。日本のほか、欧州、北米、豪州の4エリアで発売し、回収を始める。26年に向けて発売エリアやリサイクル可能シューズの商品ラインアップ拡充を目指していくという。

アシックスは、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを掲げている。

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