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特集 有力企業17社の新卒採用 第7回 / 全10回

有力17社の人事に聞く新卒採用事情 良品計画、高島屋、ZOZO、アローズ編

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有力17社の人事に聞く新卒採用事情 良品計画、高島屋、ZOZO、アローズ編

「人手不足」と「売り手市場」の中、ファッション&ビューティ業界の新卒採用事情はどう変わっているのか。ここでは良品計画、高島屋、ZOZO、ユナイテッドアローズの人事担当者に、採用方針や求める人物像を聞いた。両業界での就職を目指す学生にぜひ読んでほしい。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月19日号からの抜粋です)

良品計画

RECRUIT

職種と人数 総合職(全国転勤あり)・220人(2024年卒)
初任給 27万円(賞与年2回)
手当  店長手当、家族手当、赴任手当、家賃補助手当(社命による転居を伴う異動が発生した社員が対象)
勤務形態 全国の店舗でシフト制勤務
選考スケジュール
通年採用を実施しており、学年やタイミングを問わずエントリーが可能(10月〜翌9月までの1年間で1回のみ。不合格となった場合も翌年再チャレンジ可能。卒業年度については12月受付分までエントリー可能)。2~5月までは毎月2回(毎月中旬、月末)、6月以降は毎月1回月末締切でエントリーを受け付ける。エントリー締切日から最短1カ月で内定。面接は全てリモートで計3回行う

月1回「社長質問会」を実施
採用も「型にはまらず“無印”で」

良品計画 宝地戸健太/人財開発部長兼経営企画部長

宝地戸健太/人財開発部長兼経営企画部長

“第2創業”を掲げ、地方都市の食品スーパー横など生活圏への積極出店を進めている良品計画の「無印良品」。それに伴い、2024年4月入社では220人を採用しており、25年の採用人数はさらに大幅に増やすという。宝地戸健太人財開発部長に求める人物像を聞くと、「良品計画の第1の使命である小売業の基本を楽しめることと、第2の使命である地域の課題解決に意欲があることの2軸に合致する人」と返ってきた。

「“無印”である以上、型にはまった採用活動はしたくない」と言う通り、同社の採用活動にはいくつかユニークなポイントがある。1つめが、通年で採用活動を行っており、一般的な就活年度の学生ではなく、例えば大学1年生であっても応募可能な点。入社は卒業年度の4月となるため、それまでは店頭でアルバイトとして経験を積んでもらう。学生が直接、堂前宣夫社長に質問できる「社長質問会」を月1回オンラインで行っている点も珍しい。採用ページで参加登録方法を公開しており、「多い月は400人、平均で200人が参加し、予定している1時間ではさばききれないほどの質問が出る」。そのため、何度か続けて質問会に参加する学生もいるという。「われわれの使命や理念を伝えていくために社長の発信は非常に強力なツール。中計がスタートした21年以降、毎月質問会を続けている」。ほか、地方国公立大学の経営学やマーケティング、地域創生などのゼミで良品計画の事業戦略を語る授業を積極的に行い、応募者増につなげている。

入社すると各地の店舗で一通りの業務経験を積む。「入社丸1年で店長になるのが最も早く、3年目までに皆さんに店長になっていただく」仕組み。その後は本人の志向に合わせて、店頭業務を極める、本部に異動して商品開発に携わるなどさまざまなキャリアステップがあり、勤務地域を選ぶこともできる。

高島屋

RECRUIT

職種と人数 総合職・60人
初任給 23万円(2023年度実績)
手当  通勤手当、超過勤務手当、地域手当など
勤務形態 在宅勤務制度あり
選考スケジュール
会社説明会動画の視聴・エントリーシートの提出→適性検査(SPI)→グループディスカッション・面接→内々定 ※いずれも3月1日以降
3年後の離職率 13.5%(直近3年間)

百貨店ビジネスの前提は
「人と接するのが好き」であること

高島屋 林啓行/執行役員 人事部長

林啓行/執行役員 人事部長

「百貨店ビジネスは『人と接するのが好き』というのが大前提。お客さまはもちろん、取引先とも深いコミュニケーションを築ける人を求めている」と話すのは、高島屋の林啓行人事部長だ。百貨店は扱う商品だけでなく、その仕事内容も多岐にわたる。一般的なイメージは商品を売る販売員や商品を仕入れるバイヤーだろう。しかし例えば高島屋の場合、百貨店事業に加えて、ショッピングセンターを運営する商業開発事業、カードなどの金融事業、建装事業、飲食事業と幅広い。さらに国内だけでなく、シンガポール、タイ、ベトナム、中国にも店舗網を持ち、若い世代がグローバルに活躍するチャンスもある。

そんな枠にとらわれないビジネスモデルをしっかり研究した上で、志望する学生が最近は増えている。「ファッションが好き、フードが好きという熱い思いを持つことも大切だが、いろいろなことに好奇心を持ち、目の前の人を喜ばせることに全力を尽くせる人が百貨店には向いている」。保守的なイメージが強い百貨店業界だが、革新を重ねてきたからこそ長く支持されてきた。入社後、まず売り場で数年は店舗での販売に配属される。店頭が全ての基本であると同時に、百貨店の商売がいかに多くのチームや人と連携して顧客満足を高めていることを理解させる。そこから各自の適性と希望を見極め、商品企画、マーケティング、外商、総務、商業開発、情報システム、金融などに配属されたり、あるいは販売を極める道もある。一般的な企業に比べて入社3年以内の離職率がかなり低いのが同社の特徴でもある。平均勤続年数も男性で25.5年、女性で26.3年と長い。

選考過程では採用担当だけでなく、若手の社員と接する機会を積極的に設ける。比較的、年の近い先輩たちと本音で意見交換をする。「百貨店の仕事の魅力と楽しさを生き生きと話す先輩たちの姿を見て、入社の意思を固める人も多い」という。

ZOZO

RECRUIT

職種と人数
ビジネス職・30人程度(EC、物流管理、カスタマーサポート、マーケティング、ビジネスソリューション、コーポレート、生産プラットフォーム)
初任給 月25万円〜(基本給20万円+住宅リモート手当一律5万円支給)
勤務地 本社(西千葉)、幕張、つくば、宮崎
勤務形態 週2出社、週3リモート、フレックスタイム制
有給取得率 82.9%
時間外労働 17時間(全社平均)
選考スケジュール
エントリー1期:1月15日〜2月5日、2期:3月14日〜3月27日→書類選考(ES/ウェブテスト)→面接(一次/二次)→社員交流会@西千葉(1期:3月、2期:5月)→面接(三次/最終)→内々定(1期:4月、2期:6月予定)

カルチャーフィットを最重視
3つの「ZOZOらしさ」を伝える

梶田悠/ZOZO  人自本部 採用企画・推進部ディレクター

梶田悠/人自本部 採用企画・推進部ディレクター

ファッション分野の人気企業の一つZOZOは、書類審査・筆記試験から4回の面接まで、試験は全てオンラインで実施する。IT企業らしい発想とも言えるが、ZOZOで長く採用を担当してきた梶田悠ZOZO人自本部 採用企画・推進部ディレクターは「学生側の立場に立つと、全国どこからでも受験できるオンラインのメリットが大きいから。コロナ禍を経て、学生側にオンライン面接への抵抗はほとんどなくなっている」と語る。その分、「面接はできるだけワン・トゥー・ワンにして、学生に素の姿を引き出すようにしている」という。例えばZOZOには、社内で「ニックネーム」で呼び合うカルチャーがあるが、面接でも学生側のニックネームを聞いたり、社員側でも自分のものを紹介し、お互いにニックネームで呼び合ったりしているという。

一方、2次面接の後には、西千葉本社で社員との交流会・見学会を実施する予定だ。こちらは評価とは無関係で参加も自由だが、ZOZOが交通費も負担する。「ナビサイトや口コミサイトなどを通じて、企業側の情報はある意味で情報過多になっている。オンライン面接だけでは伝えきれないリアルな『ZOZOらしさ』を知ってほしい」というのがこの交流会の理由だ。アート作品が点在し、天井の高いオフィスの空気感を感じさせる。ちなみに同社は「ZOZOらしさ」について、「ソウゾウのナナメウエ /日々進歩 / 愛」と明確に定義している。

ファッション分野では圧倒的な知名度を誇るZOZOだが、これがエンジニア部門になると様相が一変するという。「エンジニア部門の新卒採用だとZOZOを使ったことがないどころか、知らない人も少なくない」という。「そうした場合でも、会社のカルチャーや社風、ビジネス面の面白さを、文字だけでなく映像も含めて、どれだけ伝えられるかに注力している」。

ユナイテッドアローズ

RECRUIT

職種と人数 販売職・200人程度、パタンナー等専門職・若干名
初任給
月給 22万3200円(基本給 20万1024円、みなし残業代2万2176円)*前払い退職金を別途支給、14時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給
勤務形態 本部オフィス職を中心にリモートワーク、スライドワーク制度あり
選考スケジュール
3月:説明会→4〜6月:エントリーシート締め切りと面接→6月上旬:内々定

魅力も大変さも正しく発信
新たに長期インターンシップも

佐藤勇作/ユナイテッドアローズ  人事部部長兼人材開発課課長

佐藤勇作/人事部部長兼人材開発課課長

セレクトショップ大手のユナイテッドアローズが採用活動において大事にしているのは、「正しく伝える」こと。佐藤勇作・人事部部長兼人材開発課課長は、「販売職の大変さや難しさ、この仕事を通してどんなスキルを身につけられるのかをきちんと因数分解して説明するよう心がけている」と話す。

学生の企業を選ぶ基準も変わった。「以前は待遇や年収に重きを置く学生が多かったが、最近は自分がここに入って何を得られるのか、成長の機会をもらえるのかを重視している感覚が強い」。企業説明会などでは、学生となるべく年齢の近い先輩社員にキャリアビジョンなどを語ってもらい、数年後の自分を具体的にイメージしてもらいやすいよう心がけているという。

より「正しく伝える」ため、2024年卒業生を対象に、1カ月半店舗で実際に働いてもらう長期インターンシップ制度を新たに始めた。店舗の人材育成担当のスタッフや店長による指導を受けながら、普段は見ることのない店舗運営の細かい作業までを体験したり、先輩社員のフィードバックを受けたりしながらより「リアル」を知ってもらう。初回は40人が参加した。採用活動において、「販売職のやりがいが伝えきれないジレンマ」があったというが、同社のモチベーションの高いスタッフとの交流を通して魅力を実体験として感じてもらう。

「他者貢献欲が備わっている人材」を求める同社は、同業他社のほかホテルなどのホスピタリティー産業も人材獲得の競合になる。「なるべく学生が迷わないよう、面接後には、私たちがその学生の何を評価しているのか当社側の期待も丁寧にお伝えする。ファーストキャリアは、その先の人生の土台になる。同じセレクトショップというくくりでも、社風はそれぞれ異なる。学生には企業分析や自己分析をしっかり行い、洋服が好き以上の理由を見つけてきてほしい」。

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