ビューティ

峯岸みなみが語る 「ズボラな私」だからできたシートマスク

 元AKB48でタレントの峯岸みなみがプロデュースするスキンケアブランド「イトマ(ETOMA)」は、初となるポップアップストアを2月23日に東京・原宿の「アットコスメ トーキョー」で実施する。

 ブランドは、広告エージェンシーのクリーク・アンド・リバーの子会社で、D2Cブランド事業などを手掛けるforGIFT(白井崇文代表)が運営。第1弾商品として昨年12月、美容乳液シートマスクの“オールインワン・フェイシャル・マスク”(22mL×5枚入り、税込2900円)を発売した。1枚で化粧水・乳液、美容液の3役をこなす。ポップアップ当日は峯岸が店頭に立ち、購入客にシートマスクを手渡しする(事前予約制)。

 元々、スキンケアには疎かったと明かす峯岸。「いまだに、メークをしたまま寝てしまうこともよくあるんです」と笑う。ただ「イトマ」のシートマスクは、「そんなズボラな私だからこそできた商品です」と胸を張る。着想から3年を要したシートマスク開発の背景、「イトマ」にかける峯岸の思いを聞いた。

WWD:ブランド名は「暇(いとま)」が由来と聞きます。どんなブランドかを教えてください。

峯岸みなみ(以下、峯岸):「イトマ」を使うことで忙しい毎日の中でも、自分と向き合う時間を作ってほしいという思いで立ち上げたブランドです。

 私自身、化粧品の成分について詳しいわけでもなかったし、こだわってきた人間ではありません。もともと私は、肌悩みが多い人からしたら「ずるい」と思われるくらいに、肌トラブルは少ないほう。20代前半の頃は周りの子もピチピチだし、特段目立っていたこともなかったです。ただ年を重ねるにつれて「肌がきれいだね」と褒められることも多くなってきました。この肌は私の長所で、もっと磨いてアピールすれば武器になるんじゃないか、と思ったんです。

 ただぶっちゃけてしまうと、私自身はめっちゃズボラな人間(笑)。今でも多いときは週に2、3回、メイクを落とさずに寝てしまうことがあります。だから私のようなズボラには重宝する、スキンケアが1枚で完結するシートマスクを作りました。

WWD:“オールインワン・フェイシャル・マスク”はどんな商品?

峯岸:とにかく楽にスキンケアが完結できることを目指しました。しっかりとした美容意識のある女性なら、お風呂を出たら化粧水をして、パックして、美容液やクリームを塗るのが「普通」だと思うんです。ただそれが全部できない、やりたくないと思った時に、「お願いします!」と1枚で頼れるものになっています。

 “オールインワン・フェイシャル・マスク”は「美容乳液マスク」で、保湿力がとにかく高いです。自分で試しながら、朝になってももちもちする感覚を、納得いくまで追求しました。

WWD:開発には3年を要しました。初めてのスキンケア商品開発では大変なことも?

峯岸:初めはメイクも落としつつ、お肌を潤せる「クレンジング&スキンケア」的なコンセプトで作ろうと思っていたんですが、それはあまりにもズボラすぎるし、処方的にほぼ不可能だからお蔵入りになって、軌道修正しました。だからちょっと回り道した部分もありますね(笑)。

 香りに関しては、5、6回くらい試作を重ねました。シートマスクを作っている間は「こだわり、なかったんじゃ?」と言われるような、面倒臭い人間になっていたと思います。ベッドの上で使ってもらえるような、とろんと眠たくなるような、ほのかにジャスミンを感じる香りです。

 私はいいと思っても、皆にいいと言ってもらえないと不安。だから香りを決める時も、数人が「一番いい」と言っているものより、誰からも嫌われていないものを選びました。

WWD:最近は化粧品開発において、万人受けよりもコアなコンセプトを重視する流れもあります。

峯岸:「イトマ」のシートマスクはめちゃくちゃ安価でもないから、手に取ってくれた人にはせめて嫌な思いをさせてくないと思ったんです。自信のなさ、ここでも出ちゃってますかね?(笑)。

WWD:峯岸さんは元トップアイドルなのに、等身大の親しみやすさがあります。

峯岸:スキンケアブランドを立ち上げる人って、普段のスキンケアは完璧だし、自分に自信を持っている人が多いですよね。それに比べて、「イトマ」は「ズボラな私みたいな人に届けたい」というコンセプトからネガティブ(笑)。でも弱い自分すらさらけ出して共感していただくのが、自分のアイドル時代からのスタンスでした。

 普段からズボラな生活をしている私だからこそ、しっかり丁寧にスキンケアをした次の朝は、肌の調子がよくて感動します。ズボラな私だからこそ作れる、共感してもらえるブランドにしたいです。

WWD:ファンの反応は?

峯岸:「イトマ」の情報は、9月のスタイルブック発売と同時に“匂わせ”投稿をしたんですが、びっくりされていたファンの方も多かったみたいです。私がずっとメークに興味なかったことはばれていますし。それに、私が主体性を持って何かを始めることにもファンの方はびっくりして、「あの、みーちゃんが?」と喜んでくれていて。あー私って甘やかされているなと思いました(笑)。

 私がAKB48にいたときは、「アイドル」として決まった道を進むだけでよかったんです。与えられた役割にはもちろん一生懸命に取り組んでいたけれど、自分で主体的に選択する機会は意外となかった。だから、スキンケアブランドは初めて自分の意志でするチャレンジで、ドキドキしています。もちろん、(小嶋)陽菜みたいに自分の足で立って歩んでいこうというメンバーもいましたけれど。

WWD:小嶋さんは自身のアパレルブランド「ハーリップトゥ(HER LIP TO)」を立ち上げ、経営者としての道を歩んでいる。

峯岸:(小嶋)陽菜は私とは真逆の人間で、自分で何もかも選択して、返ってくるものは全部自分の責任として受け止められる人。プライベートのことは普段からよく話す仲ですが、シートマスクのことは一切話さなくて。というか、話せなかった。陽菜が仕事にかける熱量をずっと見てきたので、自分が戸惑っていて、ふわふわした状態で相談するのは失礼だし、幻滅されたら嫌だなと思って。

 陽菜の顔も頭に浮かんで、シートマスクを作るなら、自分の言葉で薦められるものを作らなきゃダメだと思っていました。ファンの皆さんにも、顔向けできないようなものを作ったら、自分が苦しい思いをするだけ。だからやっとできた「イトマ」のシートマスクをプレゼントして、陽菜に「がんばったね」って言ってもらえたときは、すごくうれしかったです。

 自己肯定感はめちゃくちゃ低いし、自分に自信がない。そんな私がこのシートマスクに関しては100%に近い納得度で、「いいものができたよ」って言うことができます。私自身、「イトマ」を使うようになったらスキンケアの時間が楽しみになって、毎日メイクも落とせるようになってきました。もちろんズボラが治るわけではないんですが、「イトマ」を使うことで「スキンケアって楽しい」「もっと肌がきれいになりたいな」というモチベーションが湧いてきました。手に取った皆さんが、きっとそうであってほしいなと思います。

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