ファッション

新型コロナ禍でIOFTの出展社半減も「眼鏡業界が活況を取り戻す一助に」

 国内最大級のアイウエア国際展IOFTが10月27日から3日間、東京ビッグサイトで開催され、出展企業各社の新作が披露されたほか、眼鏡が似合う著名人に贈られる「第33回 日本 メガネ ベスト ドレッサー賞」の表彰式、出展社の優秀な商品に授与する「第24回 日本メガネ大賞」の発表、23のセミナーなどが行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で参加を見送った企業が多く、出展社数は146社、来場者数は5688人で、前年の実績(出展社数304社、来場者数1万182人)の約半分にとどまった。

 主催者の一つのリード エグジビション ジャパンは、「春先から世界中の眼鏡展が中止になっている中、年間最大の商談の場であるIOFTを開催できたことを大変うれしく思う。多くの出展社や来場者から“開催できてよかった”“久しぶりにリアルな商談ができた”という声をいただいた。今回のIOFTをきっかけに、業界が活況を取り戻す一助になることを願っている」とコメントした。

 もう一つの主催者である福井県眼鏡協会の谷口康彦会長(谷口眼鏡社長)にIOFTへの思いや福井産地の現状を聞いた。

WWD:福井県の眼鏡企業のIOFTの出展社数は?

谷口康彦・福井県眼鏡会長(以下、谷口):例年80社以上が出展するが、今回は約50社にとどまった。新型コロナ禍の厳しい商況の中で、産地の前向きな姿勢を示せたことは意義があった。日本のモノ作りの元気なパイオニアでありたい。

WWD:新型コロナ禍で福井産地の状況は?

谷口:2月に中国からの材料やパーツの入荷が止まり、製造の打撃を受けた。また、海外のOEM(相手先ブランドの生産)が軒並みキャンセル、またロックダウンにより眼鏡の納品もストップし資金回収ができなかった。2~4月の国内外の眼鏡展示会が中止となり、小売店の注文なくなったことで、鯖江市の眼鏡産業の売り上げは一時80%落ちた。鯖江市の眼鏡産業の工場出荷額は年間約500億円。6月から少し持ち直し、徐々に注文が増えたが、売り上げは今も例年の約半分で推移している。雇用助成金を受け、生産を調整し、雇用を維持しながら現状を乗り切っている。信号に例えると、黄から赤に変わろうとしている厳しい状況だ。

WWD:鯖江市と連携して、D2C事業などこれまでにない積極的な施策を打ち出している。

谷口:“さばえ産地活性化協議会”を設立し、総額1億5000万円キャッシュバックキャンペーンを来年3月31日まで実施中だ。これはキャンペーン期間中に福井・鯖江産の対象商品を購入した先着4万人に3000円を、抽選で100人に1人(先着15万人対象)に2万円をキャッシュバックするというもの。産地が全国の眼鏡購入者に向けた消費喚起事業として初めて行うものだ。眼鏡店上位20社を訪問して協力を募り、全国約1万2000の眼鏡店舗のうち4000店舗以上に賛同いただいた。また9月、SDGsの推進に向けて、鯖江市、福井県眼鏡協会、W TOKYO、国連の友Asia-Pacificと4者連携協定を締結した。国産の眼鏡フレームの96%のシェアを持つ眼鏡産業は、繊維、漆器とならんで鯖江市の基幹産業であり、鯖江市民の7人に1人が眼鏡産業に従事している。“サバエ”という地名の認知度はある程度広まったが、まだ十分に伝えきれていない。世界に誇る“さばえのめがね”の魅力を継続的に発信し、持続可能な産地を目指していきたい。

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