
百貨店大手4社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店)は2日、2026年10月度売上高速報を発表し、全社が前年同月を上回った。
各社の業績の押し上げに寄与したのはインバウンドだ。訪日客数は減少基調だが、客単価の上昇がカバーし、高島屋を除く3社で免税売上高が2ケタ増となった。国内客も、宝飾・時計やラグジュアリーブランドのバッグなどの高額品、気温の低下で動き出した秋物衣料が堅調だった。阪急阪神百貨店は、阪神タイガースの2年連続リーグ優勝にちなんだセール効果が大きく寄与した。
三越伊勢丹は免税は4割近く伸びる
三越銀座店が28%の増収
三越伊勢丹は前年同月比12.4%増で、基幹3店の伊勢丹新宿本店が同12.5%増、三越日本橋本店が同6.8%増、三越銀座店が同28.4%増とけん引した。
免税売上高は同38.2%増と大きく伸長した。「客単価を維持しながら買上客数も前年を大きく上回った」(同社資料)。店舗別では三越日本橋本店が同64.2%増、三越銀座店が同48.9%増、伊勢丹新宿本店が同28.1%増だった。
国内顧客の売上高は同6.6%増。宝飾・時計やラグジュアリーブランドのハンドバッグなど、付加価値の高い商品が売れた。伊勢丹新宿本店の「サロン ド パルファン 2026」も新たな顧客接点を広げた。
阪神梅田本店は優勝セールで
週間売上高が過去最高
阪急阪神百貨店は、阪神タイガースの2年連続のリーグ優勝にあわせた記念セールを阪神百貨店各店と神戸阪急で1週間(神戸阪急は3日間)実施。阪神梅田本店の月次売上高は同40.5%増となった。同本店では前年の同セールの実績を上回り、22年の建て替えグランドオープン以降における週間売上高の過去最高を更新した。
阪急本店は同12.3%増。国内・免税の売上高がいずれも3カ月連続で過去最高を更新し、店舗合計でも4カ月連続で最高値となった。5・6階の特選フロア「阪急ラグジュアリー(HANKYU LUXURY)」が約3割増とけん引した。秋物が本格的に動き、モード・コンテンポラリーブランドのセーターやコート、ジャケットが売れた。婦人靴は冬を見越した素材感のあるスニーカーやブーツが好調だった。2週間開いた催事「英国フェア」も同催事として過去最高の売上高を記録した。
大丸松坂屋は梅田店改装と万博反動を補う
高島屋は国内客の秋物購入が下支え
大丸松坂屋百貨店の合計は同0.9%増。改装で売り場面積を減らしている大丸梅田店を除けば、同4.5%増だった。前年の大阪・関西万博の反動もありながら、8月(同1.7%減)、9月(同1.9%減)の減収からプラスに転じた。免税売上高は同15.8%増(梅田店を除くと同20.2%増)。免税客数は同0.7%減(同7.4%増)だったが、客単価が同16.7%増(同12.0%増)と伸びた。店舗別では15店舗のうち12店舗が前年超え。大丸心斎橋店(同13.0%増)、大丸京都店(同11.3%増)、大丸札幌店(同12.9%増)などが2ケタ増だった。
高島屋の国内百貨店計は同2.1%増。営業を終えた堺店(1月7日閉店)と洛西店(8月3日閉店)の前年実績を除いた既存店ベースでは同3.8%増だった。免税売上高は同0.5%減にとどまり、客数は同3.2%減、単価は同2.8%増だった。一方、免税を除く店頭売上高は同2.6%増(既存店で同4.6%増)だった。国内客は、気温の低下に伴ってジャケットやストールなど秋物の衣料と雑貨が堅調で、前年を上回った。
■大手4社の2026年10月度売上高(速報、前年同月比)
| 会社 | 売上高 | 免税売上高 | (参考)9月の売上高 |
|---|---|---|---|
| 三越伊勢丹(首都圏) | 12.4%増 | 38.2%増 | 11.0%増 |
| 阪急阪神百貨店(全店計) | 13.2%増 | 約2割半増 | 9.5%増 |
| 大丸松坂屋百貨店(合計) | 0.9%増 | 15.8%増 | 1.9%減 |
| 高島屋(国内百貨店計) | 2.1%増 | 0.5%減 | 4.0%増 |