“インティメイト(親密な)”と呼ばれるランジェリーテイストの装いが、夏に向けて盛り上がってきました。素肌がほのかに透けるレースは、このトレンドを取り入れやすい代表的な素材です。裾にあしらったレースは脚を美しく見せてくれるだけでなく、涼やかな着心地も魅力。ほのかなセンシュアルさを漂わせながらも、面積が控えめなため、甘すぎずセクシーになりすぎないのも裾レースならではのうれしいところです。
例えば「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」は、ワンピースの波打つヘムラインに裾レースをあしらいました。肩周りにもさりげなくレースを配し、光沢感のあるサテン調の生地と裾のレースが美しく響き合います。ボトムスにはあえてメンズライクな黒のワイドパンツを合わせ、フェミニンなムードを程よく抑えました。今回は、2026年春夏コレクションのランウエイルックから、裾レースを取り入れた着こなしをピックアップしました。
揺れるレースに甘さを託す
レースをあしらう定番のポイントといえば、袖先と裾です。どちらも体の動きに合わせて揺れるポジションなので、レースならではの軽やかな表情が際立ちます。ピンク系と組み合わせれば、愛らしさがさらに引き立ち、フェミニンなムードを演出。甘めのある着こなしにまとめやすいカラーコンビネーションです。
「アナ スイ(ANNA SUI)」は、淡いピンクのカフタンワンピースをレースで縁取りました。インナーには白いタンクトップを重ね、スポーティーな要素を加えることで抜け感をプラス。甘さを程よくセーブしています。七分袖とアシンメトリーなヘムがレースの動きを引き立て、歩くたびにリズミカルな表情を生み出します。夏の装いに軽やかなニュアンスを添えるレース使いです。
ニットとレースが織りなす柔和な表情
素材との組み合わせ次第で、レースの表情は大きく変わります。繊細でセンシュアルな印象を持つレースも、マクラメのような太めの手編みニットと合わせれば、柔らかなムードに。ランジェリーライクな薄手素材との組み合わせは、互いの質感を引き立て合います。
「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」は、ノースリーブワンピースの胸元と裾にレースをあしらいました。シャンパンカラーのサテン生地のミニ丈ワンピースは、ランジェリーを思わせるセンシュアルな佇まい。ゆるやかな編み地のニットカーディガンは、袖先だけ通してラフにまとい、リラックスしたムードを演出しています。マクラメ調のレースがもたらす温かみと、ランジェリー風レースの繊細さが響き合い、装いに奥行きを生み出しています。
艶とレースが生むコントラスト
「インティメイト」なムードと好相性なのも、レースが支持される理由の1つです。アンダーウエア感を強く出しすぎないためには、光沢感や輝きを添えるのがポイント。メタリックディテールやビニール素材とのマリアージュが、レースをよりモダンな印象へ導きます。
ブラトップとタイトスカートの両方にレースを取り入れたのは、「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」。ブラトップはシルバーメタリックとレースを掛け合わせ、異なる質感でコントラストを演出。ロング丈のタイトスカートはビニール素材で仕立て、裾にレースをあしらうことでフェミニンな表情を添えました。カーディガンはアームウォーマーのように垂らしてまとい、アクセントカラーとして効果的に機能しています。艶やかな素材と繊細なレースを重ねることで、それぞれの魅力が際立つルックに仕上げています。
のぞくレースが妖艶なムードを演出
フェティッシュなムードを演出する上でも、レースは効果的な素材です。過度にセクシーな印象へ傾けないためには、レースの分量を控えめにするのがポイント。襟元や裾からわずかにのぞかせることで、さりげない艶やかさを引き出します。
「ディラーラ フィンディコグルー(DILARA FINDIKOGLU)」は、ヴィクトリアン調のレースワンピースを、あえてボディーコンシャスなスキンフィットウエアで覆いました。ラバーのような質感の素材で全身を包み込みながら、、襟元と裾からレースをのぞかせる演出に。フェティッシュなムードを高めつつ、あふれる出るように見えるレースが妖艶なニュアンスを添えています。
重ねレースが描く軽やかな奥行き
レースは風通しがよいので、レイヤードの着こなしに向いています。重ねても蒸し暑くないのに加え、見た目も涼やかな印象に導けます。透けないウエアにシアーなレースを重ねることで、ほどよい濃淡や奥行きが生まれます。軽やかさを保ちながら、レイヤードならではの立体感を楽しめるのも魅力です。
「フェティコ(FETICO)」の黒のスカートスーツは、ウエストシェイプやボタン配置などのディテールが印象的です。裾からは白いレースをのぞかせ、上品な華やぎを添えました。レッグウエアにもレースを取り入れ、エアリーな脚元を演出。黒と白のコントラストが効いて、クールで洗練されたムードにまとまっています。
ランジェリーライクなレースは、レイヤードやアクセント使いでスタイリッシュに取り入れるのが今季流。提案のバリエーションが広がったことで、シックにもモードにもアレンジしやすくなりました。裾レースを取り入れたコーディネートは、軽やかな抜け感やフェミニンなニュアンスをさりげなく添えながら、自分らしいバランスで楽しめます。シンプルな装いが増える夏こそ、レースの“裾見せ”をアクセントとして取り入れてみてはいかがでしょうか。