ファッション

1日で1800人超来場!「WWDJAPAN REUSE MARKET 2026 SPRING」開催 業界人らがサステナブルな未来を発信

「WWDJAPAN」は4月18日、サステナブルな社会実現に向けたカルチャー体験型イベント 「WWDJAPAN REUSE MARKET 2026 SPRING」 を開催した。2回目の開催となった同イベントは環境省後援のもと、「Circulate, Don’t discard(捨てずに、循環させよう)」をテーマに掲げ、使わなくなった物を必要としている人に繋ぐというライフスタイルを提案。さらに、「リサイクルする」「長く使う」「価値を繋ぐ」という考え方を、楽しみながら実践できる場として企画。特に若年層を中心に広がるリユース市場の可能性をファッションという身近な文脈から発信し、新しいライフスタイルの定着を目指した。

フリーマーケット出店者には、高橋愛、SUMIRE、中田クルミら俳優陣をはじめ、浅川喜一朗「シュタイン(SSSTEIN)」デザイナー、森川マサノリ「ベイシックス(BASICKS)」デザイナー、中山まりこ「マディソンブルー(MADISONBLUE)」デザイナーら著名デザイナーも名を連れた。ほか、スタイリスト、モデル、アーティスト、ファッション業界を代表するリーダーたちに加え、青山学院大学ファッションサークルと専修大学ファッションサークルの学生団体も招致し、約50ブースで世代を超えた新たな交流の場を形成した。

当日は、総来場者数約1900名を記録し、前回を上回る賑わいを見せた。また今回は、環境保護活動の支援を目的に、来場者1人につき500円のチャリティー入場料を設定。出店料を含めた寄付金は、INFASパブリケーションズを通じてGrow Organicとmore treesに寄付する。個人による貢献が社会へ循環される仕組みとして結実した。

一度愛されたアイテムが人をつなぐ
私物販売や体験型企画で会場が熱気

会場では、私物販売はもちろん、ポッドキャスト、リペア体験、DJパフォーマンスなど、リサイクルへの関心を高める多彩なコンテンツを用意した。

出品アイテムの多くは、出品者の愛用品や家庭で眠っていたものなど、愛着の詰まった一点物。モデルのHANAKAは、さまざまな国を巡る自身を支えてきた「アデュー(ADIEU)」のブローグメリージェーンシューズを次の買い手へと託し、新たな場所で再び活躍することに期待を寄せた。インフルエンサー・モデルのALICEは、タイで入手したファーコートを販売し、現地のリユース文化を日本へ持ち込むことで、エキゾチックな風を会場に吹かせた。さらに、ITONAM inc.の名村恒毅代表取締役は、若い頃に「ベンツに乗りたい」という夢とともに大切にしていたキャップを、CMディレクター・映画監督の岩崎裕介は、長年探し続けていた「シュプリーム(SUPREME)」のトップスを出品。一度愛されたアイテムは循環されるだけでなく、人と人をつなぐコミュニケーションの役割も果たし、モノとともに出品者の記憶も継承した。

一般出店者のほか、「WWDJAPAN」スタッフが厳選したアイテムを集めたブースや、「フェティコ(FETICO)」の舟山瑛美デザイナー、「リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」の小浜伸彦デザイナーとリバー・ジャンデザイナーの私物を預かるクリエーターズブースも展開した。また、似顔絵のドローイングをもとに、その場で購入したアイテムへカスタム刺しゅうを施すサービスや、日本の伝統技法である金継ぎ、不要になったパーツを用いたネイルアートサービスなどをアーティストが実演。ファッションのみならずアートにも焦点を当て、サステナビリティーを意識した場づくりだった。

リユースからリペアまで
企業各社が“循環”の新たな価値を提案

ゴールドウイン、セカンドストリート、パナソニックは引き続き出店。目を引いたのは、ミシンを使った縫製修理や、ヒートプレス機による圧着修理が体験できるセルフリペア企画を実施したゴールドウインだ。山屋光司ゴールドウインDX推進室室長は「初の試みとなるセルフリペアコーナーでは、これまでの“購入して着用する”という流れから、自ら修理して価値や思い出をつなぐという新たな体験価値を提供できた。また、社員から集めた私物を販売するブースが、社内の巻き込みを加速させたほか、『循環型社会の実現』を考える場として会場提供するで、業界を越えた人々との関係構築ができたことも非常に意義深い活動だと再認識した」と語った。

参加者からは、「ミシンの使い方が思った以上に難しく、リペアにかなり時間を要したが、物の大切さを実感できた」「自分で手を加えることで、アイテムへの愛着がより一層深まった」といったマインドセットの変化を感じさせる声も上がった。同社は今後、製品寿命を延ばす取り組みやDXを通じた体験設計を軸に、業界全体を盛り上げていくことを目標に掲げる。

セカンドストリートは、初の企画「セカストフリマ」として、30点限定の“ぽっきり価格”商品を用意した。井澤拓也セカンドストリート事業部 セカンドストリート営業企画課は、「今回も引き続き買取が好調だった。今後も、おしゃれで世代を問わず楽しめる商品のラインアップを用意することで、古着の楽しさを届け、独自の世界観を確立していきたい」とコメントした。パナソニックも、イベント限定のスペシャル企画を実施。同社の再生品を紹介する限定ページを今回限りで立ち上げ、販売を試みた。「来場者の皆さまに関心を寄せていただけたことが何より嬉しい。今回のイベントでは異なる企業が集まっているが、力を合わせてリユースへの意識を高めていきたい」と國司有香パナソニックドラム洗濯機商品企画課。

加えて、タペストリー・ジャパン、カナダグースジャパン、花王も新たに企業としてイベントに参画した。3社とも、サステナビリティーとファッションを掛け合わせた本イベントの趣旨に共感し、出店につながったという。

循環を重視したデザインを打ち出す「コーチトピア(COACHTOPIA)」は、販売できなくなったアイテムのパーツやビーズを使用したバッグチャーム作りのワークショップを開催。不要になったものをかわいいデザインへと生まれ変わらせることで、リサイクルを好きになるきっかけづくりを目指した。ファッションを愛する人々に向け、アイテムを長く使い続ける文化をともに盛り上げていきたいという理想を掲げた。

カナダグース(CANADA GOOSE)」は、1957年の創業以来、人々の人生に寄り添い、長く使い続けられる製品作りを目指してきた。会場では、真贋判定士による査定体験や、真贋保証付きリユース商品の紹介を通じて、製品が次世代へ受け継がれていく循環の仕組みを体験として提供。こうした取り組みにより、「洋服は消費財ではなく、次世代へ受け継がれる資産」というコンセプトを広げ、高品質な製品を循環させながら廃棄物を最小限に抑え、製品寿命を延ばすことで、持続可能性への取り組みを強化していく。大切な服を長く着続けたいという顧客に寄り添ってきた「エマール(EMAL)」は、シルエットや質感を守る洗濯提案を通じ、今後も消費者の豊かな暮らしと地球環境への配慮の両立を目指していく。

また今回は、特別ブースとしてkurkku alternativeの「Grow Organic」も出店。サステナビリティーや衣服を、自然へのリスペクトと人とのつながりになぞらえ、インドからワタを購入し寄付へとつなげるなど、社会的かつ経済的な循環活動を一貫して行っている。「Grow Organicという名前には、オーガニックをみんなで育てていきたいという思いを込めた。衣服には、遠く離れた人々の思い出をつなぐ役割があり、生活の楽しさを映し出す鏡のような存在でもある。人と地続きでつながるファッションの大切さを伝えていきたい」と江良慶介kurkku alternative社長。

「リブ ノブヒコ」デザイナーやゴールドウイン、萬波ユカが登壇
多角的視点で“循環”の価値を共有

「WWDJAPAN REUSE MARKET 2026 SPRING」 の開催を記念して、「WWDJAPAN」ポッドキャスト出張公開配信を行なった。向千鶴「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターをはじめ、編集部メンバーをモデレーターに、「リブ ノブヒコ」のデザイナーデュオである小浜伸彦とリバー・ジャン(River Jean)や、山屋光司ゴールドウインDX推進室室長、モデルの萬波ユカがゲストとして迎えられた。

セッション1では、日常生活や身近な人との関係性から着想を得てデザインに落とし込み、それを新たなラグジュアリーとして提示する「リブ ノブヒコ」のコンセプトを披露した。アトリエでは、子育て中の母親など未経験者を積極的に採用し、一人一人の適性を見極めながら育成したエピソードを例に、リペアだけでなく、人や働き方など服の背後にあるメッセージも含めた“循環”の重要性を語った。また、ロンドンでかっこいいと感じたチャリティー文化を日本にも広げたいとし、サステナブルを社会全体の価値観として捉える必要性を示した。

続いて、山屋室長は、ワークショップや自然体験ツアーを開催することで“リアルな体験”が洋服の価値を深めるという考え方を共有した。リペアや回収など循環型施策に加え、アウトドアの楽しさを体感できるコミュニティーづくりにも注力しているという。今年始動した“ゴールドウインサークル”を通じ、顧客と共に未来の環境づくりを目指す姿勢が印象を受けた。最後のセッションでは、モデルの萬波は自身が手掛ける「MAN vintage」のコンセプト・運営について語ったほか、「主役を決めてロジックを加える」という大人の古着の楽しみ方を共有した。

今回のイベントでは、来場による既存チャネルでは接点を持ちにくい若年層やトレンドセッターとの交流はもちろんのこと、業界内のネットワーク形成の場として、出店者や協賛企業同士の新たなコミュニケーションのための会場内の関係者用ホスピタリティーも充実させた。

昨年日本に上陸し大行列を生んだランディーズドーナツのスイーツが登場し、“グレイズドレイズド”“スモアズレイズド”“チョコレートキャンディ レイズド”といった人気メニューを出店者に提供したほか、ジャスティスの緑茶をリサイクル率の高いボトルで用意。さらに、ビーガンフードブランド「THE_B」によるサラダボウルも並んだ。会場では、4月に発売された「ジョニーウォーカー ブロンド」を使用したドリンクを、来場者に1杯無料で提供した。

フリーマーケットという単なる物販だけにとどまらず、「ここでしか出会えない」リユースの楽しさを、相互コミュニケーションを通じて伝え合うことで、「社会貢献」や「文化参加」としての魅力が醸成、シナジーが創出された。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

JAPAN HEAT WAVE!熱波の欧州で躍動する日本のクリエイション 2027年春夏メンズコレ速報

今季の欧州を覆ったのは、史上最高気温を更新する記録的な熱波。しかしそれに負けないほどの熱を帯びていたのが、日本人デザイナーのクリエイションでした。公式スケジュールにはミラノで「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」、パリで「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」が新たに加わり、今回も計15を超えるジャパンブランドが名を連ねました。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。