
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による新生「フェンディ(FENDI)」は、従来のポップでガーリー、そしてファンなブランドイメージから脱却し、テーラードを軸にした強い人物像を立ち上げた。1989年、「フェンディ」にアクセサリーデザイナーとして入社して以降、アクセサリーの領域でキャリアを積み、直近の「ディオール(DIOR)」では、“ブックトート”や復刻した“サドルバッグ”、“ジャディオール”スリングバックパンプスなどさまざまなヒットアクセを生み出すしてきたキウリ。新生「フェンディ」では、服のムード刷新と同じ熱量でどうアクセサリーにメスを入れるのか注目が集まった。
キウリはシルヴィア・フェンディの指揮の下、現在まで受け継がれる「フェンディ」のアイコンバッグ“バゲット”の誕生にも携わった人物だ。新作では以前のチャームで遊ぶ提案を抑え、細長いストラップとスリムなプロポーションで、よりシャープに刷新。華やかなビーズ刺しゅうやレザーの編み込みなど、クラフツマンシップを証明する装飾はふんだんに盛り込みつつ、テーラードルックにも共通する現代の実用性を冷静に見据えるキウリの視点が現れている。さらに“ピーカブー”はメンズサイズも登場し、アイコンバッグをジェンダーに縛られないプロダクトとして広げた。
コレクションにアクセントを加えたスポーツマフラーは、メゾンの歴史を支えた創業者の5人姉妹にオマージュを捧げて“5 sisters”の文字をレタード。言語をモチーフにする女性アーティスト、ミレッラ・ベンティヴォーリオ(Mirella Bentivoglio)と協業したリングなど、フェミニズムの連帯のメッセージをアクセサリーにも散りばめた。