
フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。2025年1月に始まって以来約1年間、全12組のゲストを招いたこの連載もいよいよ終了となる。
最後に、ARISAKのセルフポートレートと共に、これまでの連載を改めて振り返る。裏話や写真展、今後の活動について語った。
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Inside story of ARISAK LABO

WWD:改めて、約1年間の連載お疲れ様でした。全12回、ゲストを招いた撮影を行いました。この一年間を振り返ってどう思いますか?
ARISAK:「これでもか」ってくらい、色々な表現を生み出した1年でした。この1年は「ARISAK LABO」連載のためにたくさんの時間を費やして、どの撮影もかなり振り切っていたので、感慨深いですね。多少切羽詰まっていてもやり抜いたことで、「自分はオリジナルの作品を生み出すっていうことが好き」「作品を作らずには、自分の心が整理できないんだな」と改めて思います。私自身、メディアで連載を持つということは初めてだったので色々な学びがあったし、本当にやりたいことをたくさん作ることができました。

WWD:昨年末には約3年ぶりの写真展も行い、連載の写真を展示していただきました。
ARISAK:はい。実は写真展の開催が決まってから準備期間が2週間くらいしかなくて。しかもMON7A君やOZworld君の撮影準備と並行して写真展の準備をしていたので、結構大変でした。でも連載ももうすぐ終わるタイミングだったし、このチャンスを逃したくなくて。短期間でいくつも作品を作るということを連載でやってきて、自分の中で自信が生まれたタイミングでもあったので、「なんとかできるはず」って思えました。会場の雰囲気も私の作品の世界観と合っていたし、対面で色々な人に会って感想を聞けたので、本当にやって良かったと思える写真展でした。

WWD:どの撮影も濃い内容でしたが、特に思い入れに残っている撮影は?
ARISAK:難しい質問ですね(笑)。写真展の時に来ていただいた人から評判が良かったのはMurrayの作品です。トーンダウンしたナチュラルなムードのロケ撮影で、「ARISAKってこういうのも撮るんだ」っていう、意外性を見せられたビジュアルだったのかなと思います。SIRUPさんのビジュアルも、私の作品性の幅を見せられたのか、色々な人が共感してくれました。私自身もプレッシャーに潰されそうになりつつどうにか無事終えて達成感を得られた、とても思い入れの深い作品です。
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WWD:一番大変だった撮影は?
ARISAK:2日間に分けて撮影を行ったCAHNGMO君の回ですね。彼自身、初めて日本の媒体に出るという緊張感がある中、私たちもロケ地をギリギリまで探して。色々な施設を使う分、気を遣うことも多くて大変でしたが、渋谷スカイでの撮影は本当にイメージ通りのビジュアルに仕上がって。CHANGMO君も帰国前のタイミングだったんですが、どうにか調整してくれて実現できた撮影でした。
【ARISAK Labo vol.10】ラッパー・CHANGMOとARISAK 2人に通ずる“削ぎ落とす美学”

ARISAK:「この作品、売ってくれるなら買いたい!」と一番言われたのはCYBER RUIちゃんの作品。一番アート性が強くて、コレクターの方からもすごく好評でした。かなり攻めている分、誰がどう作るかによって見え方が変わってしまうため、そのバランスには結構気を配りました。絶妙なスタイリングやヘアメイクのさじ加減に加えて、RUIちゃんの表現の幅広さにも救われたと思います。写真展には韓国の友達も遊びに来てくれたのですが、この作品が好きっていう人が多かったですね。
【ARISAK Labo vol.3】アーティスト・CYBER RUIに息づく“青”のDNA

WWD:どの撮影もクリエイターの皆さんが真摯に作品作りに向き合っていて、私もその熱量に触発されました。1年を振り返り、何かご自身で感じる変化はありますか?
ARISAK:たくさんの発見があった1年でしたね。当初はイレギュラーなことが発生することも加味して「無理して月イチで出さなくてもOK」という話でしたが、やるって決めたらとことんやりたいタイプなんです。「連載見てるよ!」って声をかけてくれる人もいたりして、中途半端には終われないなって。結果的に合計12回の撮影をやり切ることができて、自分の中でかなり達成感を感じてます。他の仕事もこなしながらの連載だったのでハードなときもあったんですが、「そんな中でも完走できたんだ」という自信にもつながりました。そしてこれからも、何かを成し遂げるためにならいくらでも身を削る覚悟ができましたね(笑)。
WWD:今回は連載の締めくくりとして、セルフポートレートを撮影してもらいました。撮影に使われたブリーフケースは、写真展にも設置されていましたね。

ARISAK:はい。このブリーフケースは、ヘッドピースアーティストの林紘行君に作ってもらいました。これは「ARISAK LABO」連載に出てくれたゲストの皆さんと私の脳内を共有するための装置をイメージしていて、全ての撮影の裏側ではゲストの皆さんが“被験者”だったという伏線回収をしています。それぞれの連載を細かく見てもらうと、撮影にシルバーの実験台を使うなど、あえてアイテムを被らせたり、出演者が眠っているようなシーンがあったり。細かな部分に色々な設定が散りばめられているので、連載を見返してもらえるとうれしいです。ちなみに、今回のセルフポートレートでは2パターンの衣装を用意していて、白い衣装では目を閉じて夢の中にいる自分、ベージュの衣装では目を開き、現実世界に戻ってきた自分を表現しています。
WWD:メイクの美しさが際立つビジュアルで、少し新鮮な印象を受けました。
ARISAK:そうですね。CHANGMO君の撮影をするあたりから、なんとなく「トレンドが変わってきている」という世間のムードを感じて、私もスタイルをアップデートしなくちゃいけないなと思っていました。そんなトレンドムードと、自分自身が成長したこともあって、今回の撮影はもっと要素を削ぎ落とした作品表現をしたいなって。多分、連載をやり切ったことで、「極限まで要素を削ぎ落としても自分の世界観を表現できるんだ」って、どこか自分に自信がついたんだと思います。そういう意味で、今回のセルフポートレートではあえてシンプルさを追求して勝負しました。
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WWD:私自身もたくさんの学びがあった1年でした。連載を続けていく中で、私とARISAKさんの間で意見が衝突することもありましたね(笑)。
ARISAK:単発の撮影だと、あえて衝突を避けて終わらせることもできますよね。長期にわたる連載だからこそ、「ちゃんとぶつかろう」と話し合えたのはすごくいい思い出。年齢差や立場の違いがあったとしても、納得いかないことはちゃんと話してより良いものを目指すって、本来のクリエイティブのあるべき形だなって改めて思います。
WWD:長きにわたる連載を終え、改めて今やりたいことはありますか?
ARISAK:これまでと変わらず、海外で挑戦していきたい気持ちはあります。韓国やニューヨークなどのエリアにチャレンジしてみたいですね。現地の人たちが自分の作品を見てどんな反応をするのか気になります。
ただ正直、今は連載を終えたばかりで「これからどうしていこうか」というタイミングです。1年間ずっと全力で走り続けてきたので、今はちょっと抜け殻状態になってしまって。また新しいものを生み出さないと精神的に良く無いので、6月に新たに作品展示を行うことにしました!(笑)会場は、表参道にあるアフロードクリニックという最先端予防医療を展開する、アートギャラリーのような唯一無二のすてきな病院です。ぜひ楽しみにしてもらえるとうれしいです!
そしてこれまで連載見てくださった皆さま、1年間本当に、本当にありがとうございました。これからもARISAKを応援よろしくお願いします!


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PHOTOS:ARISAK
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