広島県福山市は3月13日、メンズブランド「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」の梶浦慎平社長兼クリエイティブディレクターを迎え、トークイベント「なぜブランドは『産地』へ向かうのか 〜福山の工場がクリエイションを刺激し続ける理由〜」を東京の文化服装学院で開催する。福山市のデニム関連事業者とともに、ブランドが産地に見出す価値や、それをいかにクリエイションへ昇華しているかを探る。
本イベントでは、ブランドの企画・発信の最前線に立つ梶浦氏と、福山市のデニム関連事業者が対話形式でセッションを行う。トークショー(18時〜19時30分)に続き、参加者と登壇者による交流会(19時30分〜20時)も実施する。また会場では、さまざまなバリエーションのデニム生地や製造工程を紹介するパネル展示も行う。
産地とブランドをつなぐ登壇者たち
梶浦氏は2008年に青山学院大学経営学部を卒業。学生時代から伊勢丹新宿店リ・スタイル プラスで経験を積み、卒業後はサザビーリーグのロンハーマン事業部で立ち上げからメンズバイヤーを務めた。その後渡米し、ニューヨークのカットソーブラン「V::room」に携わる。帰国後の17年より「シンヤコヅカ」に参加し、産地巡りや生地選定も自ら行っている。
このほか、年間200カ所以上の工場訪問を重ね、デザイナーと工場をつなぐ活動を行う宮浦晋哉 糸編代表取締役兼キュレーター、110年以上続くデニム生地メーカー篠原テキスタイルの代表であり「デニムのイトグチ」代表も務める篠原由起氏、県外から移住し福山のデニム産地で新規事業に携わる湯浅遼太氏らが登壇する。
「デニムのイトグチ」は、広島県福山市のデニム関連事業者が企業の枠を超えて集まった任意団体。イベント企画や工場見学、産地ツアー、コラボレーション商品開発などを通じて、福山デニムの歴史や文化、ものづくりの価値を発信している。
国内デニム生地生産量約8割を占める福山
福山市は広島県東部に位置する県内第二の都市。西日本の交通・物流の要衝という立地を背景に、古くからものづくり産業が集積してきた。紡績・染色・織布・加工・縫製まで服づくりの全工程を地域内で完結できる国内有数の繊維産地として知られる。
江戸時代の綿花栽培を背景に誕生した「備後絣」で培われた織布・染色技術は、現在のデニム生産へと受け継がれ、今では国内デニム生地生産量の約8割を占める産地へと発展した。福山市では、こうした産地の強みを広く発信する取り組みとして、2016年度に「備中備後ジャパンデニムプロジェクト」を発足。本イベントもその一環として実施される。
ブランドと産地の関係が改めて問い直される中、第一線のクリエイターと現場を担う事業者が同じテーブルで語る機会となりそうだ。
■ トークイベント「なぜブランドは『産地』へ向かうのか 〜福山の工場がクリエイションを刺激し続ける理由〜」
会場:文化服装学院 C館9階 C091講義室(東京都渋谷区代々木3-22-1)
日時:2026年3月13日(金)18:00〜20:00(受付17:30〜)
対象:服飾専門学生、デザイナー、ファッション業界関係者、産地やものづくりに関心のある一般参加者
参加費:無料
定員:150人(先着順)