西武百貨店やパルコ、ファミリーマート、無印良品など、流通分野で様々な企業集団セゾングループを築き上げた堤清二・セゾン文化財団理事長が死去していたことがわかった。86歳だった。
堤氏は1955年に西武百貨店に入社すると、田中一光や糸井重里を起用した斬新な広告手法やDCブランドを核にした新しい売り場開発、「エルメス」「ラルフローレンジャパン」を筆頭株主として日本市場に導入するなど、ファッション分野で他の追随を許さない地位を築き上げ、西武百貨店を大手百貨店の一角に押し上げた。
また、西武百貨店を中心に、ファッションビルのパルコ、スーパーの西友、西友のプライベートブランドから派生した無印良品、コンビニエンスストアのファミリーマート、クレジットカードのクレディセゾンなど、次々と新しい流通・金融業も立ち上げた。
ただバブル崩壊後、セゾングループは相次いで有力子会社を手放し、崩壊。堤氏自身も91年にグループの代表を辞任。現在は中核の西武百貨店もセブン&アイ・ホールディングス傘下になるなど、セゾングループは消滅している。
小説家・詩人としても辻井喬として活動し、「父の肖像」など数々の名作を送り出していた。現在は財団法人のセゾン文化財団の理事長を務めていた。