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リシュモン、フレグランス部門新設 トップにフィルメニッヒ元CEO

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)はこのほど、フレグランス事業の新部門「ラボラトワール・ドゥ・オート・パルファムリー・エ・ボーテ(Laboratoire de Haute Parfumerie et Beauté)」を設立したと発表した。最高経営責任者(CEO)にスイスの香料メーカー、フィルメニッヒ(FIRMENICH、現DSMフィルメニッヒ)の元CEOであるボエ・ブリンクグレーヴ(Boet Brinkgreve)氏を任命した。ブリンクグレーヴCEOはリシュモンの上級執行委員会にも加わり、ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長の直属となる。

リシュモン傘下のブランドでは、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」「ダンヒル(DUNHILL)」「アライア(ALAIA)」「モンブラン(MONTBLANC)」がフレグランスを展開する。「カルティエ」は社内の調香師が開発を手掛けるが、その他のブランドはコティ(COTY)やインターパルファム(INTERPARFUMS)と製造・販売に関するライセンス契約を結んでいる。「モンブラン」はインターパルファム最大のブランドだ。

リシュモンは9月6日に開催された年次株主総会で新部門について「非常に競争が激しく、規模が極めて重要となるこの分野で、6つのメゾンがクリティカルマス(商品の普及率が跳ね上がる分岐点)に到達するのを支援する」と説明。「洗練されたクリエーションと有望なライセンス開発のため、傘下のメゾン全体のリソースを活用する」と付け加えた。情報筋によれば、同部門の設立はリシュモンのブランドを自社に取り込む試みではなく、各ブランドのビジネスを構築し、より持続可能なものにするための “戦略的指導 ”を行うためのものだという。この発表を受けて同日、同社の株価は前日比5.2%安の117スイスフラン(約1万9248円)で取引を終えた。また、「モンブラン」と「ヴァン クリーフ&アーペル」のフレグランスライセンスを保有するインターパルファムの株価も終値が同9.4%安の54.10ユーロ(約8493円)となった。

ブリンクグレーヴ新CEOは、2007年にフィルメニッヒに入社。上級管理職を歴任し、20年から最高経営責任者(CEO)、原材料・グループ調達部門プレジデントを務めた。それ以前には、米化学メーカーのデュポン社(DU PONT)で新規事業開発に携わり、複数のスタートアップを立ち上げた起業家としての顔も持つ。
 
ルパート会長は新CEOについて、「フレグランス業界に関する深い知識と新規事業立ち上げにおける成功、グローバルなチーム構築の実績、持続可能な原料調達へのコミットメントを持つ。当グループにとって特筆すべき存在になると確信している」と期待を寄せた。

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