ファッション

TSIの「イレーヴ」から男女兼用の新ライン 金子恵治と作る“緻密”なデイリーウエア

 TSIの「イレーヴ(YLEVE)」は、大手セレクトショップでバイヤーを務めた金子恵治氏との協業ライン“Y”を立ち上げ、2月24日に発売する。主に男性のテーラードをベースとしたウィメンズウエアを打ち出してきた同ブランドだが、新ラインではデニムやナイロンなどカジュアルな素材を用い、リラックス感のあるTシャツやシャツ、スエットなどのデイリーウエアを男女兼用で展開する。

 ファーストコレクションはデニムジャケット(3万6300円)や廃棄物を再利用したリサイクルナイロンのジャケット(5万7200円)などを春の羽織りとしてラインアップ。モックネックプルオーバー(1万4300円)やロングスリーブTシャツ(9900円)、チノパン(3万800円)などと組み合わせる。カラーは紺と白の2色展開。商品の面構えはシンプルだが、背景にはシルエットを美しく見せるための理にかなったパターンがあったり、ベースとなる古着があったりする。

理詰めで作る
誰もが“いい感じ”に見える服

 田口令子デザイナーがウィメンズとメンズ、現行品と古着をフラットに捉えてクリエイションに反映する「イレーヴ」の女性服は、ニュートラルだが独特の雰囲気がある。田口デザイナーの「理詰めの服作り」に惹かれたという金子氏は、“Y”立ち上げのきっかけについて、「以前、サンフランシスコで車上荒らしにあって、身ぐるみを剥がされてしまった時があった。その時に『あったらいいな』と思った服が“Y‘になった」と笑う。「とりあえず手に取って、誰にとっても“いい感じ”に見える服だったら、皆が欲しがる。でもそんな服を作るのは、誰でもできることじゃない。田口さんのように緻密に計算するモノ作りがあってできること」。

 一方の田口デザイナーは22年春夏から「イレーヴ」でメンズラインをスタートするなど、表現の幅を広げている。「誰のため、何のためかに関係なく、もっとラフな捉え方で服を作ってみたい」。“Y”が自身にとっても新たな挑戦になると前を向く。

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