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良い「朝令暮改」と、悪い「朝令暮改」 エディターズレター(2020年11月13日配信分)

※この記事は2020年11月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

良い「朝令暮改」と、悪い「朝令暮改」

 「朝令暮改」とは、朝に出した命令を夕方には変えること。「アテにならないこと」を意味するネガティブワードです。確かにコロコロ変わる人を見て「どっちやねん!」とツッコミたくなることはしばしばで、「そんな人は信用できない」という気持ちもわかります。

 でも、自分の生活を振り返ってみると、どうでしょう?例えばメールを送った直後に考え直して、「あ、待って」なんて“前言撤回”メールを送ってしまうこと、アナタにはありませんか?私には、時々あります。ペースにして週1。「朝令暮改」どころか「一分前令一分後改」で、我ながら呆れる時もあります(笑)。でもこの場合、自分の思考は、どうなっているでしょう?頭の中はグルグルと高速回転し、“降臨”レベルで何かが降ってきたり気づかなかったポイントに気付けたりしたゆえの「あ、待って」です。脳は活性化した状態の時も多く、こんな時の「前言撤回」は許しておくれよ、と思っています。

 悪しき「朝令暮改」は、ポリシーがないからコロコロ変わるヤツ。良き「朝令暮改」は、頭の中がグルグルしたからコロコロ変わったヤツ。こんな認識でいかがでしょう?考えれば日進月歩と言われるテックと密接になってきたファッション&ビューティ、こと「変わっていい」もしくは「変わらなければいけない」タイミングの今のめまぐるしさは未体験レベルなワケで、「朝令暮改」を一律に否定したりためらったりして頑固になってしまう方が「よくないなぁ」って思うのです。

 そうなると、グルグルしたからコロコロしちゃうタイプの「朝令暮改」を実行しやすい環境づくりも大事ですね。どんな環境が良いのでしょう?イロイロありそうですが、確かなのは「月一の“御前会議”」じゃダメで、朝イチのスクラム(隣のデジタルマーケティングチームが毎日実行しています)とか、Slack的なコミュニケーションツールが良いのでしょうか?コロコロするのは良いですが、逐一ちゃんと説明することも大事ですね。説明しないと、相手はポリシーなき「朝令暮改」だと勘違いしてしまいます。頭の中がグルグルしている人は、自分がそれなりの時間・労力を費やして納得しているからこそ、他人への説明がおざなりだったりします(自分に諭していますw)。でも、それじゃダメ。もう一度、ちゃんと説明することが必要です。

 そう考えると、これから大事なのは「朝令暮令」なのかな?。

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