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WWDジャパン(以下、WWD):近年、老眼の人は増加傾向にあるといわれるが、その原因は?井手武・南青山アイクリニック副院長(以下、井手):高齢化に伴い老眼人口は増えていると考えられます。また、老眼は自覚症状によって気づく眼の病気です。現代社会は、スマートフォンやPCによるデスクワークなど、日常生活において手元作業をする機会が増えています。それに伴って、老年だけでなく、働き盛りの若年層の間にも、近くの物が見えづらいこと(=老眼の自覚症状)に気づく方が増えているように思います。スマートフォンやPCのディスプレーから発せられるブルーライトは、眼の疲れを引き起こす原因になると言われています。眼の水晶体を支える「毛様体筋」が疲れて収縮しづらくなり、その結果、近くにあるものに眼のピントが合いづらくなることがあります。昨今では若年層でも、一日中、目を使い続けた後の夕方や、一週間使い続けた後の週末に、目の疲れから老眼のようにピント調整力が下がってしまう“夕方老眼”“週末老眼”といった症状も見られます。
WWDジャパン(以下、WWD):どんな兆候や症状があると老眼の疑いがあるのか?
井手:眼の調節力が衰えると、「近くは見えるが、長時間になると疲れる」「始めから近くが見えづらい」といった症状が表れます。老眼の具体的な兆候としては、「うす暗いと新聞などが読みづらい」「本などを読むとき遠ざけてしまう」「集中力がなくなる」「近視のメガネを外すと本などが読みやすい」などの自覚症状が上げられます。
WWD:老眼を予防する方法は?
井手:老眼は、加齢とともに誰にでも起こる症状であり、防ぐことはできません。特に、加齢による水晶体の弾力性の低下は誰しもに起こることです。ただし、眼のケアを正しく行うことで、老眼の進行を抑えることはできます。水晶体の弾力性が低下する原因は、眼のたんぱく質が酸化変性を起こすことです。この原因の一つが紫外線です。紫外線から眼を守ることで、水晶体の弾力性の低下が進むことを抑えることができると考えられます。
WWD:老眼とうまく付き合うには?
井手:老眼は誰もが発症するもので、予防することもできません。自覚症状が出た際は、速やかに対策を取ることが大切です。最も有効な対策は、リーディンググラスを掛けることです。リーディンググラスを掛けることで、網膜の後方で合ってしまっていた眼のピントを、正しい位置に調節することができます。近くが見えにくいままの状態で生活をすることは眼の負担を増やし、知らず知らずの内に眼の疲れや肩こり、頭痛につながりかねません。老眼を受け入れ、自分に似合うリーディンググラスを見つけることは大切なことです。リーディンググラスをかけると老視の進行が早まるという人がいますが、これは全くの間違いです。