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渡邊弘幸(以下、渡邊): 感覚的に教えるのではなく、理論に基づいた持続性のある教育を心掛けている。今は、「なぜそれを学ぶのか」「学ぶことでどうなるか」など、一つ一つの理由を丁寧に教えていくことが必要だ。4年前に私が「ウカ」に入社して、以前の職人的な“見て覚える”教育から、しっかりとした理論に基づいた“語って継続していく”教育へとシフトチェンジした。社内教育機関である「ウカデミー」を作り、「ベーシック」「プロフェッショナル」「マネジメント」の3コースを用意し、それぞれのレベルに合わせて教えている。
WWD:それぞれのコースの特徴は?
渡邊: 「ベーシック」は1~3年目のスタッフに向けた基礎的なコース。理論や毛髪科学に基づいて、ベーシックな技術を学んでいく。理論的に学ぶことで、お客さまにも説得力のある説明ができるようになる。「プロフェッショナル」では、スタイリストの引き出しを増やしていくことを目的に、「デザイン」「カラー」「パーマ」「スパ」の4つのクラスがあり、各自が好きなクラスを選んで受講できる。「マネジメント」はそこからさらなるキャリア構築を目指すコース。「ウカデミー」の導入により、スタイリストの平均売り上げも上がっていて、目に見えて成果が出ている。
WWD:「ウカ」で行っている入社1年目向けの「19(じゅーく)」というプログラムの意図は?
渡邊: 「19(じゅーく)」は入社1年目向けのプログラムで、年に19回行うことから、「19」と名付けた。勉強会は営業後や休日を使ってやることが多いが、「19 」は営業中にサロンワークを抜けて、丸1日勉強する。そこでは美容師にとって必要な分析力、仮説構築力、ロジカルシンキング、プレゼンテーション力の4つを鍛えることを目的に外部講師を招いて、座学やロールプレイングを交えて教えている。「19」によって月1~2回ほど全店舗の同期が集まることで、お互いの刺激にもつながっているようだ。また「19」で学んだことは、次の日の朝礼で参加した新人がスタッフの前で発表するので、各店舗で新人の考えを共有でき、先輩たちも何をサポートすればよいかが分かるようになった。プログラムを開始して5年目に入ったが、スタッフの離職率は大幅に下がっている。
WWD:「ウカ」ではセンスはどう教えていますか?
渡邊:センスで重要なのは、分析力だと考えている。ヘアに限らず人気があるものをよく分析すれば、それが支持されている理由も見えてくるし、その作り手が何から影響を受けたかも分かる。そうやって分析を重ねていくことで、自分の中に引き出しが増えていき、それがセンスにつながっていく。ただ、これだけ情報量が増えた中で、正しい情報を読み取るリテラシーも重要で、常に「ウカ」らしさとは何か、お客さまが「ウカ」に何を求めて来てくれているのかを基準に考えさせるようにしている。
WWD:目指すのはどういった人材育成?
渡邊:「ウカ」はトータルビューティーサロンなので、ヘアやネイルだけというよりも、各自が専門性を持ちながらも、お客さまの美容をトータルでプロデュースできる人材を育てていきたい。
