ビューティ

米「WWD」の2019年度ベストコスメアワードが発表 ブランド部門は「トム フォード」などが入賞

 米「WWD」のビューティ別冊「ビューティ インク(BEAUTY INC)」が毎年恒例の「ビューティ インク アワード」を発表した。ビューティ業界で今年ヒットした商品やブランド、そして活躍し た人物をたたえる賞で、日本からは「今年最も革新的だったM&A」部門で資生堂の「ドランク エレファント」買収がランクインした。ここでは、各部門のトップを飾った製品やブランドを紹介する。

商品部門(プレステージ)

 クリーンビューティをいち早くうたったプレス テージヘアケアブランド「ブリジオ(BRIGEO)」は「ビー ジェントル、ビー カインド」シリーズにココナツ やバナナなどのスーパーフルーツを配合したラインを発売し、1週間でセフォラの全カテゴリー の中でのベストセラーポジションを獲得。メイクアップアーティスト、パット・マクグラス(Pat McGrath)の新 ベースメイクは下地、ファンデーション、パウダー、ブラシをそろえ高い評価を得た。「キールズ(KIEHL'S)」 の定番クリームはパラベンやカルバミド、トリエタノールアミンを含まないフォーミュラを作るために114回の試作を経てリニューアル。「ランコム(LANCOME)」のフレグランスはエシカルな調達にこだわったローズを用い、若年層にアピール。

商品部門(マス)

 レブロン(REVLON)傘下の「オルメイ(ALMAY)」は8月に100%バイオディグレーダブル(再生可能)な繊維で作られたクレンジングシートを発売し、サステナビリティを訴求。もともと低刺激処方にこだわっていた同ブランドだが、今後は肌への優しさだけでなく環境にも配慮し、“クリーンビューティ”をうたう。マスメイク市場が苦戦する中、「アーデル(ARDELL)」の磁石式のつけまつげが大ヒット。メイクやヘアサービスを行う「グラムスクワッド(GLAMSQUAD)」はドラッグストア「CVS」と協業し、プロ仕様のヘアケア製品を平均価格7.99ドル(約870円)で提供。パリス・ヒルトン(Paris Hilton)の香水は今も年間1億ドル(約109億円)を売り上げ、04年のローンチ以来25億ドル(約2725億円)を突破。秋には25作目をローンチした。

ブランド部門(プレステージ)

 今年、スキンケアライン「トム フォード リサーチ」を導入した「トム フォード ビューティ」の売り上げは10億ドル(約1090億円)を突破したとされており、世界的なブランドランキングでは過去5年で40位も上昇するほどの飛躍を遂げている。新スキンケアラインは中国市場を意識したもの。現在中国のトラベルリテールの売り上げではアイカテゴリーで3位、フレグランスで9位、リップで1位のポジションで、今後もさらに同市場を強化する狙いだ。

ブランド部門(マス)

 “SNS”時代において最も成功したメイクアップブランドの1つに成長した「モルフィー」。ブレットマン・ロック(Bretman Rock)やジェフリー・スター(Jeffree Star)などのビューティインフルエンサーとのコラボ製品を連発し、若年層の支持を獲得。2018年の売り上げは3億5000万ドル(約381億円)ほどで、D2Cから、最近はリテールにも進出。8月には投資会社のジェネラル アトランティック(GENERAL ATLANTIC)が60 %の株式(22億ドル、約2300億円の価値)を取得。

ローンチ部門(スペシャルティー)

 「ストレンジャー・シングス」の15歳の女優、ミリー・ボビー・ブラウン(Millie Bobby Brown)がジェネレーションZ 向けにスタートしたスキンケア・メイクライン。化粧水ミストやファンデーションなどをそろえ、全てがクルエルティーフリー(動物実験を行わない)でビーガン処方。価格は10〜34ドル(約1000〜3700円)。

ローンチ部門(プレステージ)

 デザイナーがアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)になってからメイクアップラインも彼の世界観を反映してリニューアル。デビュー作の58種のリップスティックは発売1カ月で100万本以上、約3800万ドル(約41億円)を売り上げるほどの爆発的なヒットを記録。アジアのとある店舗では1日で3万3000本を販売したという。

インフルエンサー部門

 バーチャルモデルのミケイラ・ソーサ(Miquela Sosa、通称リルミケイラ LilMiquela)は今年もSNS 界で活躍。ブラジル系アメリカ人という設定で、現在 170万フォロワーを抱える。ファッションとビューティとも協業し、「パット マクグラス ラボ」のミューズにも抜擢された。

その他

小売り部門:シャネル アトリエ ボーテ

ウエルネス部門:ルルレモン(LULULEMON)「セルフケア」

ニュースメーカー部門:ナチュラ(NATURA)

ブランドビルダー部門:イラリア・レスタ(Ilaria Resta)=プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER&GAMBLE)ビューティ北米ヘアケアバイスプレジデント

創業者部門:ミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)「ヘンリー ローズ(HENRY ROSE)」創業者

CSR部門:セフォラ(SEPHORA)

マーケティングキャンペーン部門:ダヴ(DOVE)「ダヴ ザ クラウン」

デジタル革新部門:「バイオサンス フォー クリーン アカデミー(BIOSSANCE FOR CLEAN ACADEMY)」

インディーズ部門:「コサス(KOSAS)」

M&A部門:資生堂の「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」買収

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。