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日本各地の作家から絶大な支持を得る「雨晴」の金子憲一ディレクターが語る日常の輝き

 日本各地の作家の器や作品を集めたセレクトショップである雨晴(AMAHARE)の姉妹店が春に、六本木ヒルズ内ヒルサイドのgギフト アンド ライフスタイル(g GIFT AND LIFESTYLE)内にオープンした。インショップ名は「クロ 雨晴 フォー g(KURO AMAHARE for g以下、クロ雨晴)」で、その名の通り黒を中心にしたテーブルウエアや花器などを展示販売している。同店舗のプロデュースは雨晴の金子憲一店主兼ディレクターが担当。金子ディレクターが雨晴の商品の仕入れで築いた日本各地の作家とのネットワークを生かした店舗だ。最近、日本人の作家による作品を展示販売する店舗はたくさんあるが、各地の作家から信頼を得ている金子ディレクターが訪問すると、通常バイヤーに見せる場合よりも多くの作品を見せる作家もいるそうだ。彼に「クロ雨晴」のコンセプトや背景について聞いた。

WWD:「クロ雨晴」のコンセプトは?

金子憲一・雨晴店主兼ディレクター(以下、金子):六本木の街のイメージが黒だったので、黒を非日常に置き換え、“非日常があるから輝く日常”をコンセプトにした。黒があるから彩りが引き立つ。だから、定番品は黒でそろえ、差し色も加えていきたい。

WWD:この店舗のプロデュースをするに当たってどのように作家にアプローチしたか?

金子:黒が得意な作家(赤木明登、岩清水久生、岡さつき、シモオ・デザインの下尾和彦と下尾さおり、竹俣勇壱、辻野剛&フレスコ、矢野直人、吉田直嗣)に依頼した。黒を永遠のテーマにしている作家がいる。黒はいろいろなニュアンスがある色。だからこそ永遠のテーマになることもある。作家が目指す黒はとても哲学的だ。

WWD:このプロジェクトに費やした期間は?

金子:2018年の8~9月にスタートした。黒がテーマでなければ、プロデュースを受けていなかったかもしれない。なぜなら、作品がそろわなかっただろうから。

WWD:商品のラインアップや価格帯は?

金子:和食でも洋食でも使えるテーブルウエアやカトラリー、オブジェなど。中心価格帯は食器が1万円前後、オブジェが4万~5万円。アートも初めて取り扱っている。イギリス人フォトグラファーのショウヤ・グリッグ(Shouya Grigg)が撮影した北海道ニセコの風景写真で、シリアルナンバー付き。価格は20万~30万円だ。グリックの作品に出合ったのは、ニセコにある古民家を改造したギャラリー兼レストランのSOMOZAでだ。そこのアート作品に感銘を受けた。黒の無機質な作風がニセコの持つ自然の潤いを表現していると思った。SOMOZAも日本の美を凝縮したような素晴らしい場所で、それもグリックが手掛けている。

WWD:「クロ雨晴」の完成を見た感想は?

金子:作家による作品を並べて、目黒にある信頼している花店にアレンジメントをお願いした。真っ黒な作品に花が生けられて、黒という色の力を実感した。花の色がとても映える色だと思う。黒い器と花や植物などを組み合わせることで、日常に驚きを感じてもらえればうれしい。