3D設計を用いたフライトスーツ (c) Fairchild Fashion Media
「Y-3」がヴァージン・グループの宇宙旅行ビジネス会社、ヴァージン・ギャラクティック(以下、ヴァージン)と提携し、宇宙服を開発している。両社は世界初の商業用宇宙港「スペースポート・アメリカ」のスタッフとパイロットのための宇宙旅行用アパレルを手掛ける。3D設計を用いたフライトスーツと、特殊部隊用としても使用するソールを搭載したフライトブーツ、ブルゾンジャケットの3アイテムを製作しており、型数は今後も増える予定だ。
プロジェクトは2年前からスタート
ローレンス・ミッドウッド「Y-3」シニア・デザイン・ディレクター
今回の協業についてローレンス・ミッドウッド「Y-3」シニア・デザイン・ディレクターは、「プロジェクトがスタートしたのは2年前。きっかけはヴァージンから突然届いたメールだった。依頼を受けて、すぐ大喜びで挑戦しようと決めた。約15年前に『ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)』と『アディダス(ADIDAS)』のコラボレーションで始動した『Y-3』に通じるものを感じて、やらないといけない!という宿命を感じたからだ。ヨウジ(山本耀司)に報告したら『本当?なぜ?どうやって作るの?黒くするの?』と、とにかく質問攻めで驚いていたよ(笑)」と話す。
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打ち合わせ模様 (c) Fairchild Fashion Media
なぜ、ヴァージンが「Y-3」をパートナーに選んだか
なぜ、ヴァージンが「Y-3」をパートナーに選んだかについては「宇宙旅行の乗客として名前を連ねる人たちは、代金を約25万ドル(2800万円)支払っている。彼らの宇宙旅行に対する期待値は非常に高いので、顧客満足のためには、ファッションへの配慮も欠かせない。彼らに満足してもらうためには、宇宙旅行の際に着るウエアにも注力しないといけない。機能面はもちろん、デザインにも革新性が求められる。その両方を実現できるのが『Y-3』だったということだ」と語った。
左からフライトスーツ、フライトブーツ (c) Fairchild Fashion Media
“ぼてっ”としたシルエットからシャープに
デザインについては「既存の宇宙服は体の動きやすさを重視するあまり、生地をたくさん使い過ぎて“ぼてっ”としたシルエットになってしまいがち。今回は機能性素材を取り入れて、シルエットはシャープにし、着心地の良さも向上している。フライトスーツのパターンは『アディダス』が以前作っていたレーシングスーツをベースにしている。座った状態での動きやすさにこだわり、そのアーカイブから股上を深くするなどのアイデアを得た」とした。公開したアイテムは12番目のプロトタイプ(原型)で、テスト飛行を経て、テストプログラムでの試着を行っている段階だ。
今後もパイロットや現場の意見を取り入れて進化させていくという。すでにオーダーメイドのブルゾンジャケットは申し込み者にクリスマスプレゼントとして届けており「宇宙旅行はまだ実現していないので、彼らが25万ドル支払って手に入れたのは、現段階ではこれだけ。今のところ世界一高いジャケットだね」と笑った。
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