働く女性=ジャケットなんて固定概念は古い。実はそう思ってました。最近まで。しかし、昨年から編集長という肩書きで外を歩き、スーツ姿の方とお会いしたり会合の場に出ることが増えて改めて思うのです。ジャケットはあった方が便利である、と。自分の好きなファッションとは別に“自分に自信を持ちたい瞬間”や“相手の居心地の良さを考えて服を選ぶ”シーンにはジャケットがあると心強いからです。
特に1月はさまざまな団体の賀詞交歓会が多く、ジャケットの必要性を考える機会が多かったです。だから、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」の新ライン“ニュー ノーマル”のキャンペーンお披露目の場で聞いた、ジョルジオ・アルマーニとピーター・リンドバーグの言葉はグッときました。
“ニュー ノーマル”は、いわばアルマーニのスタンダードアイテムを集めたラインで2015年秋冬からスタート。トレンチコートやネイビージャケット、白シャツやグレーのスラックスなど上質素材をシンプルに使った普遍的なアイテムがそろいます。
その“ニュー ノーマル”の2016年春夏キャンペーンは4人のモデル、ナジャ・アウアマン、ヤスミン・ル・ボン、ステラ・テナント、エヴァ・ハーツィゴヴァを起用し、ピーター・リンドバーグが撮り下ろしました。モデルの4人は、ざっくり言うと40代。美容の悩みは尽きない年頃ですが、皆、自然体できれいです。
左からエヴァ・ハーツィゴヴァ、ステラ・テナント、ヤスミン・ル・ボン、ナジャ・アウアマン
そしてこの自然体の美、驚くことなかれ!リタッチはしていないそうです。リンドバーグは写真の修正を好まず、光を操ることで被写体の自然な姿を引き出しています。
「強い個性のあるアイコンを起用し、女性の美しさは永遠であるということを表現したかった」とミスター・アルマーニ。ピーター・リンドバーグに依頼した理由は「彼の写真はタイムレスで、真実に忠実であるから」。
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ジャケットは自分らしくいるために必要な一着
ナジャ・アウアマン
中でも目を引いたのがこの写真でした。マスキュリンなシンプルジャケットがナジャのアンドロジナスな魅力を引き出しています。
クチュール期間中に開かれたお披露目の場でアルマーニ氏はこんなことを言いました。「昔の女性たちは男性と肩を並べるためにジャケットを必要としていたが、今は違う。仕事の場でも頑張らずに自然体でいられる」。だから“頑張るパワースーツ”ではなく自然体の“ニュー ノーマル”の提案という訳ですね。納得です。
確かに、今の働く女性が必要としているスーツは男性を肩を並べるためや、虚勢を張るためのものではないと思います。でもジャケットには、弱気だったり疲れたりしている時も自分をちゃんと見せてくれるとか、敬意を抱く相手に無言のうちにそれを伝えるとか、そんな効果があります。自分らしくいるために必要な一着。それが今の時代の女性とジャケットの関係性だと思います。
最後に気さくにスナップの応じる巨匠の2人。長年ファッションの第一線で女性の美を紡いできた2人。同志みたいなものでしょう。並ぶと学生時代の親友みたいですね。
ジョルジオ・アルマーニ(左)とピーター・リンドバーグ