ファッション

解釈に「悩む」、「プラダ」と「ギャルソン」の「悩み」方

 皆さん、こんにちは。ウェブで既報の通り、昨日は「プラダ(PRADA)」のファッションショーが開かれました。ワタクシ、こちらのショーを映画「ケレル」に通じるものと解釈しましたが、これは僕の解釈で正解とは限りません(もしかしたら、おおハズシしているのかも!)。けれど、ファッションの世界、特にクリエイションについては、それでも良いと思っています。みなさんにファッションに関して好き・嫌いがある通り、ひとつのコレクションに対して、人はさまざまなことを思います。それは、時に肯定的であったり、時に否定的であったり。それが個々のスタイルにおいては個性につながり、マーケットにおいてはデザイナー交代に代表されるビジネスニュースになっていくのです。

 ショーを見た人が、実にさまざまな意見を持ち、それを語り合うコレクションの代表格は、メンズにおいては「プラダ」と「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」(以下、「オム プリュス」)でしょう。この2ブランドは、ショーに際してプレスリリースのようなある種の“正解”を配布することはなく、デザイナーがインタビューに応じることも極めて稀。ブランド側から、公式なステートメントが発せられることはありません。そして、コレクションは一歩ずつ、もしくは半歩ずつ歩みを進めるほかのブランドとは大きく異なり、時に半年前のアイデアをあっさり捨て去ったり否定したりで真逆のスタイルを提案することも。

 こんな理由で、僕らはこの2ブランドのショーになると、「さぁ、ものスゴ~く考える時間の始まりだ」と感じ、ある種のプレッシャーにさいなまれます。そして、最初の3ルックくらいはメモを取らず洋服とモデルだけを必死に見つめ、だいたい混乱。慌ててメモを取り始め、音楽を検索し、中盤に“何か”の断片をつかみかけると、後半にはそれが裏切られて疑心暗鬼に陥り、ショーが終わっても「ムムム……。今のは???」となりがち。周りの人に「どうでした?」「あれは、なんだったんでしょう?」と話を向け、頭のモヤモヤを解決しようと必死になります。「悩み」系ブランドの筆頭といえるでしょう。そこで今日は、この2ブランドのコレクションについて、「悩み」方のお話をしてみようと思います。もちろん、この「悩み」方も決して正解ではなく、あくまで僕の場合は、という前提で読んでいただければ幸いです。

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