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エルメス傘下の「シャンシア」 中国発ラグジュアリーブランドの実力は?

 エルメスインターナショナル傘下のシャンシア(SHANG XIA)が展開する中国発ライフスタイルブランド「シャンシア」の期間限定店が13日、阪急うめだ本店6階コトコトステージ61にオープンした。日本での発売は今回が初めてで、期間は今月31日まで。

 同ブランドは最高経営責任者(CEO)兼アーティスティック・ディレクターのジャン・チョン・アー(Jiang Qiong Er)が2009年にエルメスと立ち上げたブランド。名前の「上下(SHANG XIA)」には「過去と未来」という意味もあり、中国の伝統文化と職人の技を現代流に解釈してデザインしたファッションやインテリア、生活雑貨などを提案する。

 来日したシャンシアの林杏芳(Clara Lin)副社長は「伝統工芸と古くから伝わる職人の技に、革新的なデザインを加えることで、中国の美しいカルチャーを伝えながら現代のライフスタイルを表現している。中国の伝統工芸の魅力をまず知ってもらいたい」と話す。

 例えば「シャンシア」を象徴するアイテムの一つである竹巻きの茶器は、陶磁器で有名な景徳鎮と、竹の産地である四川で作られたもの。白い磁器を包む込む繊細な竹細工は、四川産の細い竹の皮を髪の毛の細さまで裂き、器の形に沿って編み込んでいく。また、モンゴルの希少カシミヤを使ったネパールの職人によるフェルト生地は、彫刻的なフォルムのコートなどに採用。明朝時代のデザインをモチーフにした椅子には、カーボンファイバーのような新素材を使い、軽さを追求した。

 デザインの特徴は「シンプルで、軽く、機能的でエモーショナルなこと」(林副長)。とりわけエモーションを重視し、家族愛を大切にするジャン氏らしく、心地よく快適に過ごせることを意識しているという。

 期間限定店では婦人服、スカーフ、バッグ、アクセサリー、生活雑貨、家具を展開。阪急阪神百貨店の小部あさみ部長は「年末年始のホリデーシーズンにフォーカスし、ギフトアイテムを中心にそろえた。中国文化に根付いたモダンなデザインは、上質で洗練されたものを提案する売り場のコンセプトに合致する」と説明する。

 価格はエルメスの8掛け程度で、スカーフ3万6000円、茶器セット15万円、ブレスレット1万4000円〜、カーボンファイバーチェア26万6000円など。
 
 両者の出会いは、エルメスチャイナのウィンドーディスプレーをエルメスがジャン氏に依頼したことがきっかけだ。近代化に伴い、中国の伝統工芸と職人技が失われつつあることに危機感を抱いていたジャン氏の提案が、エルメスに認められ、同社が95%出資する会社を設立。エルメスが手掛ける中国ブランドとして知られるが、あくまで独立した事業として展開しているという。

 旗艦店である1号店は10年に上海の香港プラザ内にオープン。日本の建築家、隈研吾が店舗設計を担当した。北京とパリにも直営店を展開するほか、香港のレーンクロフォード、台湾のアートハウスにもコーナーを持ち、卸販売する。今年は中国最大のオンラインショッピングモール「Tモール」に出店し、EC事業をスタート。著名な女性写真家とのコラボコレクションも話題を集めた。

 中国では、富裕層のギフトニーズを捉え、特に生活雑貨や家具が人気を集めている。「日本も美術や文化を重視する国なので、いずれは常設店を持ち、成功させたい」と林副社長は話している。