ビューティ

ミラノ発ホームフレグランスのパイオニア「クルティ」の世界

 世界中のセレブリティやVIPに愛されるホームフレグランスの代表格がミラノ発「クルティ(CULTI)」だ。同ブランドは1990年、アレッサンドロ・アグラーティ(Alessandro Agrati)が設立。家具デザインから、ホテルやスパなどを手掛けるアグラーティが、空間における香りを通した新たな文化の発信を目的にスタートした。今では、さまざまなブランドでも使用されているウッドスティックのディフューザーを考案したのはアグラーティだ。そういう意味でも、「クルティ」はホームフレグランスのパイオニア的な存在。日本では、2008年からアクタス(ACTUS)が独占で販売を行っている。バスルームやパウダールームに特化した“ウェルカムコレクション(WELCOME COLLECTION)”の発売を機にアグラーティが来日。「クルティ」のこだわりや楽しみ方について語った。

自然素材そのものを生かしたタイムレスな香り

 「合成の香料は使用しない。全て自然素材を使用し、『クルティ』のラボで調香する。一つの香りの開発にかかる時間は最低2年以上。30年前に完成した香りと5年前にできた香りと比べても、どちらが古いか分からない。イタリア料理のように素材そのものを生かした香りばかりだから、タイムレスなんだ」とアグラーティは語る。「クルティ」の香りはシシリーのお菓子屋さんに着想を得たものから、レモンやオレンジ、ベルガモットなどイタリア特有のフルーツやハーブ、青い海と太陽など、地中海のライフスタイルに見られる要素が出発点になっている。新しく登場した“オデローザ”は、モロッコ・マラケシュの夜に咲き乱れるバラがイメージ。ローズの香りが得意でなくても抵抗ない柔らかくエキゾチックな香りだ。

引き算で調和させブレンドを楽しむ

 「クルティ」の香りは全14種類。日本では、そのうち10種類を販売している。新たな香りを増やす予定は、今のところないそうだ。アグラーティにその理由を聞くと、「30年以上香りを作り続けて、地中海のライフスタイルにおける自然な香りの要素は全て14種類で表現できたと感じている。この14種類をブレンドすることで無限の香りを楽しむことができるんだ」と言う。なるほど、ショールームには「クルティ」のディフューザー全14種が置かれていたが、全く香りの圧迫感がない。「『クルティ』は小さな部屋に何種類おいても大丈夫。重ねた時のバランスを考えて引き算で調和させているから。だから個人の香りをブレンドして楽しめるんだ」とアグラーティ。彼は「クルティ」は「パンに付けるオリーブオイルのようなもの」とも言う。それぞれの香りがピュアだからこそ、重ね合わせても自然な調和が生まれる。

思い出を表現したマジカルなフレグランス

 アグラーティは、まだ湿気のある早朝の海岸の散歩や、バラの花弁を敷き詰めたバスタブなど、さまざまな事からインスピレーションを得る。「クルティ」の“テシュート”は石鹸のような柔らかく優しい香り。アグラーティは、その香りを嗅ぐと自宅のワードローブを思い出すという。香りと記憶は深く結びついている。ふと嗅いだ香りで、その人の記憶の引き出しから、人や風景といったものが浮かび上がることがある。彼は、「友人や山小屋、海辺の散歩など個人的な思い出を表現できるのがフレグランスのマジックだ。ほら、“マウンテン”をタオルに振りかけると、山小屋のサウナにいる気分になるよ」と話す。“マウンテン”のウッディな香りがタオルに加わるだけで、毎日使用するタオルでも日常とは違う感覚を覚える。それが「クルティ」が提案する香りを楽しむ豊かなライフスタイルだ。「日中と夜、バスタイムなど、1日の時間ごとに香りを使い分けてもいい」。季節や気分によって、さまざまな香りをミックスして楽しめるのが「クルティ」の魅力だ。

[related post="429443" title='パリのコレットの香りがする石膏製“ベアブリック”が登場']

最新号紹介

WWD JAPAN

デジタル化で加速するサプライチェーン革命 繊維商社のDX戦略とは?

「WWDジャパン」3月1日号は、「デジタル化で加速するサプライチェーン革命」特集です。コロナ禍で加速したデジタル化が、服作りのプロセスにも変化を与えています。キーワードはDX(デジタルトランスフォーメーション)とサステナビリティ。アパレルのOEM(相手先ブランドの生産)、ODM(相手先ブランドの企画生産)を担う繊維商社は、DXを駆使して大量生産・大量廃棄の悪弊を断ち切るサステナブルなサプライチェー…

詳細/購入はこちら