ファッション

クリエイター集団や俳優などエンタメ要素が増加 「ヘアショー」の目指すべき方向性

 美容師がステージに立ち、磨き上げたテクニックを披露する「ヘアショー」。美容師がモデルとともに登場し、ヘアカットやヘアアレンジを施してビフォー&アフターを見せる、というスタイルが一般的だが、その演出は年々進化している。ヘアショーの“今”から読み取れる、今後の方向性とは?

 5月に大規模なヘアショーが2つ開催されたが、今後のヘアショーの方向性を示すわかりやすい特徴があった。1つは、総合ヘアメーカーの「ナプラ」が19日に開催した「ドリームプラス 2015」、もう1つはヘアサロン「カキモトアームズ(kakimotoarms)」と「ガーデン(GARDEN)」が26日に開催した「THESHOOT」だ。「ドリームプラス 2015」は日本武道館で開催し、1万人規模の観客を動員したヘアショー。昨年に次いで2度目の開催で、今年は「アフロト(AFLOAT)」の宮村浩気・代表や「フェリ(FÉERIE)」の新井唯夫・代表などが登壇し、巨大なモニターの前で洗練されたテクニックを披露した他、注目のクリエイター集団「東京ブレンド」が登場。コミカルな要素を交えたステージで会場を沸かせた。その他にもダンスパフォーマンスあり、俳優の溝端淳平の登場ありと、エンターテインメント性に溢れた演出が数多く見られた。
「エンターテインメント性」というのは、ヘアショーの進化のキワードだ。従来のヘアショーは「教育」の要素が強く、年間数十本ものヘアショーが繰り返される中で、そうした内容は“地味”とされる流れが生まれてきた。また、美容師だけでなくサロンユーザーを観客として招くヘアショーが増えたこともあり、よりわかりやすく楽しめる「エンターテインメント性」が求められるようになったのだ。

 一方「THESHOOT」は、会場を二分するようにランウェイが設置され、その上で美容師がヘアカットやヘアアレンジを見せるというベーシックなコンテンツのみ。「カキモトアームズ」と「ガーデン」のスタイリストが交互に登壇してテクニックを披露するという、原点に立ち返ったようなシンプルなヘアショーだった。エンターテインメント性を意識した演出はなかったものの、その内容は圧巻だった。

 「トレンドスタイルを見せる」「テクニックを見せる」「ビフォー&アフターの変化で楽しませる」というヘアショーの基本要素を追求し、トップサロンの誇りをかけて“ど真ん中の直球”で勝負する姿に観客は引き込まれ、会場には何とも言えない一体感が生まれていた。

 「THESHOOT」を見た観客の声として、「シンプルなヘアショーでここまで見せられることを改めて教えられた」といったものが多かった。“業界の閉塞感の打破”が叫ばれる中、「エンターテインメント性」の流れは今後も加速するだろう。その流れの中で、「ヘアショーでしか得られない感動の追求」にも期待したい。

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