ソフトバンクとソフトバンク コマース＆サービスは、グループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2015」を開幕した。7月30、31日の2日間にわたって都内ホテルで開催する。基調講演に登場した孫正義ソフトバンク社長は、「情報革命こそが、企業の成長のカギだ。これからの三種の神器はスマートホンとタブレット、クラウドだ。スマホとタブレットは、武士でいえば大刀と小刀のようなもの。両方持つのが武士のたしなみで、両方武装していなければ戦にも出られない」と情報武装と、時代を先読みした成長戦略の立案の重要性を訴えた。また、未来の戦略を描く中で、ソフトバンクとして「IoTとAI、スマートロボットに注力していく」と宣言した。
特にスマートロボットについては、「世界初、人類史上初の、感情を持ったロボット」として発売した人型ロボット「ペッパー（Pepper）」に、さらに、自動学習するディープラーニング機能を搭載した法人向け新バージョン「ペッパー・フォー・ビズ（Pepper for Biz）」を10月発売することを発表した。登壇した「ペッパー」は、「受付やフロア案内なども頑張る。孫社長は情報革命と言われているが、接客革命をする」と宣言。孫社長は「接客キャラクターが選べ、来店客の年齢や性別、購買の時間帯や商品説明に対する反応などを、分析し、店長や本部に伝える能力がある。ソフトバンクロボティクスの認定パートナーによるアプリ開発も積極化する。月給5.5万円。残業大歓迎。24時間でもいい。文句いわない。遅刻しない。役に立つと思う」と説明する。
孫社長はさらに、「『シンギュラリティー（技術的特異点）』がこれから重要な議論になる言葉だ。コンピューターは人間の知能を超えていく。われわれの未来は進化なのか、破滅なのか。わかっているのは、情報革命は人々を幸せにするためのものだということ。だから、私はやさしいハートを、おもんぱかってくれるハートをペッパーに搭載した」と続ける。ロボットに感情を持たせることについては、賛否あるが、「この思いは、六歳のときに芽生えた。空を飛び、暴走機関車を止め、悪者をやっつけるヒーローの鉄腕アトムにたった一つ欠け落ちていたのは、ハートだった。人々の涙の意味がわからなかった。幼心に鉄腕アトムがかわいそうだと思い、いつか自分が大人になったらハートをプレゼントしたいと思った。ロボットは敵ではない。家族であり、仲間だ。情報革命は単に生産性だけのためではない。人類を破滅させるものではない。言葉の壁のない、交通事故がない、自然が豊かに、いつまでも愛し合える世界のために。情報革命は始まったばかりだ」と思いを語った。基調講演は約3000人が聴講した。
なお、「ペッパー・フォー・ビズ」の申し込み受付は10月1日から。月額5万5000円×36カ月、計198万円のレンタルプランのみを販売する（別途ロボット手続き手数料9800円）。中途解約はできず、本体は契約期間終了後に返却するものとする。
