10月19日発売の「WWDJAPAN」は、2027年春夏パリ・ファッション・ウイークを特集します。
今シーズンのパリは、未だ収まらないデザイナー交代の噂が絶えませんでした。ファッションショーの前から退任が噂されたのは、「サンローラン(SAINT LAURENT)」のアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)。結局退任が発表されたのはファッションショーが終わってからでしたが、アンソニーはラストショーについて「このコレクションの構想は長い間温めてきたが、ついに今こそ発表すべき時と感じた。私にとって非常に個人的で、感情がこもったもの」と話し、トレンチコートやペンシルスカート、サファリジャケット、ランチスーツ、カクテルドレスなど、すべてがゴールドのコレクションを発表しました。オーガンジーやギュピールレース、シフォン、ブロケード、ジャカード、コットン、ラテックスなど、多種多様な素材も黄金色。モデルたちは、黒いキャットウォークの上空に浮かぶ3つの巨大なゴールドのシャンデリアの下を歩き、その後ろではエッフェル塔が煌めきました。そんな美しいコレクションの一場面を表紙にしつつ、最後のコレクションをリポートしています。
デザイナー交代劇の渦中にある
「クロエ」「バレンシアガ」のコレクションは?
アンソニーの後任には、「クロエ(CHLOE)」のシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)が有力視されています。彼女は今シーズンのコレクションについて、「このコレクションに注ぎ込んだ愛が、永遠に続きますように」と、これまた意味深な言葉を残しつつ、「私が『クロエ』に対して抱いている“こだわり”や、創作の過程で感じる創造的な執着心――ずっと愛してきたものや、いつも立ち返ってしまうものを追求した」と、今回は自分の偏愛に素直だったと語ります。また同じく退任が噂されている「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)は「エブリデイ・クチュール」を掲げ、日常着の中にクチュールのテクニックを盛り込むことに挑みました。「クチュールを現代において意味あるものするため、そのアプローチを日常の服へと広げて、応用したかった。代表例は、ファーストルックの白いシャツ。最も質素な素材で、最も典型的な服だが、白いシャツの裾から1/3の部分に別の生地を重ねて密なステッチを施すことで、ウエストは絞りつつ、裾に向かっては緩やかに広がり波打つように仕上げた。クチュール的なコルセットとペプラムの発想を、日常着である白いシャツの中に組み込んでいる」と話します。特集では、2人のコメントとともに、コレクションを解説しています。
ビッグブランドを渡り歩くデザイナーが
打ち出し、結実した「エレガントな日常着」
デザイナー交代は、26年春夏シーズンにピークを迎えましたが、未だに収まっていません。ということは、デザイナー交代なんて意味がなかったのでしょうか?いいえ。「WWDJAPAN」は、そうは思いません。このとき新天地に移ったデザイナーたちは間違いなく、クリエイティブの最前線に新しい息吹を吹き込んでいます。それは、軽さを徹底的に追求した、日常のエレガンスです。彼らによる「新しいラグジュアリーのカタチの模索」は、エレガントな日常着となって結実。特にビッグブランドを渡り歩く移籍組は、「ハレの日だけのラグジュアリー」ではなく、「着ると、ハレの日みたいな気分になれるラグジュアリー」を生み出そうとしています。代表例のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)による「シャネル(CHANEL)」、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による「ディオール(DIOR)」、ジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)による「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」を筆頭に、さまざまなブランドが提案するエレガントな日常着というアプローチは深掘りしています。
ワールドとTSIの経営統合の裏側
その理由、シナジー、ブランド・店舗の統廃合は?
そのほかのページでは、売上高で国内アパレル4位のワールドと8位のTSIの経営統合を分析。大型統合の背景に透けて見える、両社の単独での成長の限界を踏まえながら、統合によるシナジーからブランド・店舗の統廃合の行方、経営の主導権などについても言及しています。
(COVER CREDIT)
COVER:SAINT LAURENT
PHOTO:AITOR ROSAS SUNE / WWD ©︎ FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
ART DIRECTION & DESIGN : SUGURU NAGAHASHI