西武渋谷店は30日夜、営業を終了した。1968年の開店以降、同じセゾングループだった渋谷パルコとともに、渋谷を「ファッションの街」「若者の街」に発展させる重要な役割を担った。だが近年は販売低迷が続き、58年の歴史に幕を下ろす
最終日にはあいにくの雨にもかかわらず、大勢の客が訪れた。建物の外観や店内の様子をカメラやスマートフォンに収めたり、馴染みのスタッフに別れの挨拶をしたりする姿があちこちで見られた。閉店セールも終始ごった返していた。
午後8時の閉店時刻が近づくと、スクランブル交差点に近いA館の正面入り口は通行できないほどの人で埋め尽くされた。西武渋谷店は混乱を想定し、店長の挨拶などのセレモニーを行わないと方針ととり、つつがなく閉店させた。それでもシャッターが降り、「SEIBU」の照明が消えると、拍手が沸き起こった。
新宿区に住む60代の女性は「もともと近くの神宮前(原宿)に住んでいたため、亡くなった主人と日常的によく訪れていた。特にデパ地下はスーパーのように利用していた。今は引越して足が遠のいてしまったが、ここに来ると主人のことを思い出す」と話してくれた。40代の女性は「若い頃にボーナスでたくさん服を買った。自分の青春がなくなるようで寂しい」と語った。
売上高はピーク時の半分以下に
西武渋谷店はA館、B館、パーキング館(駐車場で一部店舗)、ロフト館、モヴィーダ館(テナントとして「無印良品」が入る)の5館体制で営業。今回の閉店は百貨店部分のA館、B館、パーキング館の3館で、他は営業を継続する。1990年には5館体制(モヴィーダ館は当時はシード館)で売上高957億円だったが、2025年には約400億円に縮小していた。