「エルメス(HERMES)」は没入型の謎解きイベント「ミステリー・アット・ザ・グルームズ(Mystery at the Grooms’)」を6月19〜29日の期間、米・ニューヨークのイベントスペース、ピア36で開催している。同イベントは、1837年に馬具メーカーとしてスタートしたブランドのルーツにちなみ、馬とその飼育員であるホースグルームをテーマにした体験型インスタレーション。昨年末に上海でデビューし、今後は東京とシンガポール、パリへと巡回する予定だ。
イベント会場に設置された6つの部屋にはそれぞれ5頭の馬が隠れており、参加者は各部屋での制限時間7分の間にできるだけ多くの馬を探すことに挑戦する。馬術探偵ミスター・オノレによる音声ガイドと地面に記された蹄鉄の跡に従って、次の部屋へと進んでいくというルールだ。ヘッド・ホースグルームのメレーヌ・ギャロップ(Maeleine Galop)をはじめ、スタッフからヒントは得られるが、馬たちは巧妙に隠れており見つけるのは一筋縄ではいかない。
例えば、コード入力が必要な金庫の中や、銀のトレイの下、スイッチで開く木製パネルの裏、壁の隠し覗き穴の先、さらにはランドリーに流れる黄色のスエットの上など、想像力と観察力が試される場面ばかりだ。すべての馬を発見した参加者には、記念としてノートと塗り絵が贈られる。
ナイフやキャンドルの代わりに馬の好物であるニンジンを使うなど、演出も楽しく独創的。さらにインスタレーションは、メンズ・レディースの既製服やスカーフ、靴、ヘッドフォン、サーフボード、食器、革製品に至るまで、「エルメス」の16のメティエ(商品カテゴリー)にも焦点を当てている。
同イベントの参加費は無料。すでに約2万5000人が応募しており、ニューヨーク・タイムズ紙やニューヨーカー誌の広告で宣伝され、最寄りの地下鉄イースト・ブロードウェイ駅の壁にはゲームに関するポスターが貼られている。
「エルメス」米国会長のダイアン・マハディ(Diane Mahady)は「ただただ楽しんでもらい、喜びを広めたい。これは販促目的ではなく、ブランドの遊び心を共有するための体験だ。みなさんに1時間だけ笑って、非日常を楽しんでほしい」とイベントについて語る。
また「エルメス」のアーティスティック・ディレクター、ピエール=アレクシス・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)は、同イベントについて「遊びとは、人と集まること。遊びとは動きであり、自由であり、想像力であり、ファンタジーであり、軽やかさ。そして“創造”という遊び場において、馬という存在は私たちの最初の仲間なのです」とブランドの持つ遊び心とクリエイションのルーツの融合を喜んだ。
◼︎「ミステリー・アット・ザ・グルームズ」
会期:6月19〜29日
場所:ピア36 ニューヨーク
住所:299 サウスストリート、ニューヨーク、アメリカ合衆国
参加方法:公式サイトから予約可能