百貨店主要4社の2025年2月度の売上高は、前年同月に比べて全社が増収だったものの、伸び率は小幅だった。前年同月がうるう年ため営業日が1日多かったことに加えて、今年は中国からの訪日客が増える春節(旧正月)の期間が半分ほど1月度に前倒しされた影響が大きい。それでも免税売上高は全社とも前年同月の実績を上回っており、インバウンドの底堅さを印象づける。
前年同月に比べて三越伊勢丹が2.3%増、高島屋が1.7%増、大丸松坂屋百貨店が4.6%増、阪急阪神百貨店が0.6%増だった。引き続き訪日客や国内の富裕層がけん引するかたちで、ラグジュアリーブランド、時計・宝飾品が好調を持続した。バレンタイン催事も集客に寄与した。衣料品は全国的に気温の低い日が続いたため、春物の先物買いの動きは鈍かった。
伊勢丹新宿本店は前年同期に比べて0.4%減だった。年間で最も1日の稼ぎが多い外商客イベント「丹青会」が前年は2月開催だったのに対し、今年は1月開催になったことが響いた。