「エシオ(ESIO)」は3月5日まで、渋谷109の1階でポップアップショップをオープンしている。同ブランドは渋谷109でともに「ムルーア(MURUA)」で販売員をしていた関本香里と才賀果歩の2人が2021年にスタート、24年8月からは再エネ事業者のGXフォースの傘下に入った。再エネ事業者が運営する異色のファッションブランドが目指す先とは?
PROFILE: 才賀果歩/「エシオ」プロデューサー兼デザイナー(右)、関本香里/「エシオ」プレス兼デザイナー

2人はともに渋谷109の「ムルーア」販売員
才賀プロデューサーと関本プレスはともに渋谷109の「ムルーア」で販売員をしていた。「渋谷109の『ムルーア』のオープニングスタッフで勤務したときに、ちょうど(関本)香里さんもいて。帰りの電車が一緒だったのが仲良くなったきっかけ(笑)」(才賀プロデューサー)という。才賀プロデューサーは販売員の後に「ムルーア」のプレスに異動。マークスタイラーを退職後は業務委託などでマーケティングやデザインなどを経験し、21年に関本プレスとともに「エシオ」をスタートした。「マークスタイラーを退職後に、ブランドを立ち上げるために必要なことをとにかく業務委託で引き受けた。服のデザインからウェブデザイン、SNSの運用、デジタルマーケティングまで、いろいろな仕事を受けた。場合によっては『できます』と言って引き受けてからいろいろ調べて勉強したことも(笑)」。
そのため「エシオ」は21年のスタート時に、デザイナー経験のある関本さんがディレクター、才賀さんがプレスという役割だったが、GXフォース傘下に入った段階で役割を逆転させた。「ブランドを始めてみたら、向いている分野が逆だった(笑)」(関本プレス)。関本さんは個人のアカウントで4.9万人のフォロワーを抱える一方で、才賀さんは個人アカウントはほぼ放置状態の一方で「発信するよりも服作りが大好き。着て喜んでもらえる服、そのことばかりを考えている」。2人にお互いの印象を聞くと、「ポンコツだけど優しくて頼れるお兄ちゃん」(才賀さん)。「口うるさいしっかりものの妹」(関本さん)。
とはいえ、ブランド運営に関してはほぼ2人が一体になって回している。「服のデザインや生産、ECとSNSの運営、ポップアップショップでの販売まで、文字通り2人で回しています。札幌の大丸百貨店のポップアップでは、店頭での販売も2人でやりました。販売員出身の2人ということもあって販売が好きだし、なによりも店頭でファンの方と触れ合えるし、ダイレクトにいろいろな情報を受け取れて、デザインにも生かせる。ポップアップではできるだけ店頭にいるようにしています」(才賀さん)。服の生産やデザイン、ECの運営もあるため、「スキマ時間にスマホでメールを返したり。さすがに大変ですが」。
親会社のGXフォースはブランドの実働は2人に完全に委託しているが、「(石破 周一)社長には、こちらが恐縮するほど多くの時間を割いてもらってアドバイスをもらっている。経営面から消費者目線でのアドバイスまで、本当に助かっている」(才賀さん)という。
特殊加工のスカジャンを先行販売
ポップアップでのイチオシは、先行販売のスカジャンのセットアップだ。職人と一緒に絶妙なエージング加工を施したスカジャンの価格は4万7900円。「『エシオ』の商品単価で考えると高くなってしまったけど、顧客は絶対に満足してもらえる自信がある。買った直後よりも、着用するたびに満足度が高まる、そんなブランドを目指している」(才賀さん)。
5日間のポップアップの売り上げ目標は1000万円。「凱旋なので過去最高の基準に設定した。抽選会やコスメサンプルの配布、別注カラーの先行受注など、これまでにやったことのないイベンにも実施する」(関本さん)。
■「ESIO」POP-UP
場所:SHIBUYA109渋谷店1F Limited POPUP BRIDGE.
期間:2025年3月1-5日
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目29-1
営業時間:10:00~21:00