ビューティ
連載 齋藤薫のビューティ業界へのオピニオン

ひっそりと廃棄される化粧品は、もっと前向きに値引き販売すべき時代 それを買う人が誇りに思えるように……

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「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号からの抜粋です)

売れ残りやリニューアルで廃棄される化粧品は、年間2万トン……ネット上の記事の多くがそう伝えている。でもこの2万トンという数字、正確にはごく一部に過ぎないという見方もできる。なぜなら、これを調査した機関によれば、国内の大手メーカー5社によるバルク(中身)のみの廃棄量が2万トン。つまり、商品となった廃棄分は計上されていない。しかも、その大手5社以外の、一説に4000社以上あるとも言われる化粧品メーカーの廃棄分は、そこには入っていないのだ。

逆に言えば、化粧品の廃棄はそれだけ個々にひっそりと行われているということ。アパレル業界のように、“服が埋め立て地に山積みになった写真”などが出回っていない分だけ、深刻度は少ないように感じるが、それでもやっぱり構造的な問題をどこかで解決していかなければ、さらにコスメロスは増えるのではないだろうか。

もちろんコスメ業界もこの問題に真摯に取り組み、さまざまな形でのロス削減を行っている。業界有志が立ち上げた「コスメバンク」は、シングルマザーなど困窮する女性たちに向けて化粧品や日用品をギフトする素晴らしい試み。一方で、カラーコスメを絵の具やクレヨンに変えるアップサイクル運動もどんどんその輪が広がっている。日本ロレアルと東京ガスのコラボで、破棄される化粧品を新建材にリサイクルする取り組みも面白い。

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