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資生堂の末川社長が3月31日付で退任。前田会長が社長を兼務

 資生堂は3月11日、末川久幸・社長の3月末での退任を発表した。4月1日から、前田新造・会長が社長を兼任する。末川社長から、健康上の理由から3月31日付で執行役員を辞任し、併せて取締役も辞任するとの申し出があったため。退任後は4月1日付で相談役に就任する。

 末川社長は2011年4月に、常務経営企画部長から現職に就任。当時52歳の若さでの社長抜擢に、その手腕が期待されたが、わずか2年で退くことになった。国内事業の低迷に加え、反日感情が高まる中国での販売が不振に陥り、1月31日には13年3月期の通期連結業績予想を大幅に下方修正。売上高は当初の予想の7000億円から97.1%の6800億円に、営業利益は400億円から61.2%の245億円に、経常利益は400億円から63.7%の255億円に、純利益は220億円から47.7%の105億円に引き下げたばかりだった。

 元来、人件費などのコスト高は指摘されてきたが、特に海外売り上げの低迷が打撃を与えた。中国で予定していたプロモーションの未実施やギフト需要の低下、春節に向けた品揃えの不調などのマイナス影響に加え、欧州でも売り上げが伸び悩んでいることが影響した。

 末川社長は、経営企画部時代に3ヵ年計画(05〜07年)の企画・立案を手掛け、10年には米国の大手化粧品メーカー「ベアエッセンシャル」の買収を主導。また12年4月には、国内市場向け総合美容サイト「ワタシプラス」を立ち上げ、eコマースにも参入した。しかし、国内売上高の大半を占める、ドラッグストアやGMS、専門店の売上げ低迷に歯止めがかからず、鎌倉工場や金沢八景の研究施設の閉鎖を決定し、人件費の縮小などのコスト構造改革に取り組むことをすでに発表している。

 前田会長は05年に社長に就任。在任6年の間に海外展開を加速させ安定成長に導いたその手腕を再び振るうことになる。

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