PROFILE:1974年、フランス・ブルターニュ生まれ。91年、パティシエ、ショコラティエ、コンフィズのフランス国家資格を取得。パティシエとして経験を積んだ後96年、ラ・メゾン・デュ・ショコラ入社。2000年、アトリエのオートクチュール部門の責任者に就任。12年から現職
ニコラ・クロワゾー=シェフ・パティシエ・ショコラティエ(以下、ニコラ):もともとパティシエになろうと思っていた。パティシエになるにはチョコレートに関しても勉強しなきゃいけないんだ。それで、面白そうだったからチョコレートに専念することにした。4年間「ラ・メゾン・ドゥ・ショコラ(LA MAISON DU CHOCOLAT)」でチョコレート作りを学んだよ。そしてパティシエに戻ろうかと思ったんだけど、ロベール・ランクス「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」創業者にクリスマスやイースター用のアート的な作品を作って欲しいと言われ、ショコラティエになることにしたんだ。「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」とは人生をともにして早20年だよ。
WWD:「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」が他のブランドと違う点は?
ニコラ:チョコレートはワインと同じで、最初、中間、余韻と味に段階があるんだ。それをふまえてチョコレートを作るのが大切。パルファン(味)とカカオのバランスが良い点がシグニチャーだよ。
ニコラ:影響を受けるから、あまりしないよ。
WWD:チョコレートの味の決め手は?
ニコラ:原料であるカカオ生産者の情報や、新しい品種などを紹介してくれるソーサーの存在が大きい。カカオは農場や発酵、乾燥の状況で味が変わる。作りたいパルファンに合ったカカオを探してくれるのもソーサーだ。また、砂糖の分量も重要なポイント。通常60~70%が妥当な分量だが、砂糖を少しずつ加えて、最もアロマ(香り)が引き立つ量の見極めを行う。そうやって最高のレシピにするんだ。
WWD:チョコレート作りで最も重要な点は?
ニコラ:温度。カカオバターの脂肪分は温度によって変化するから、適切な温度を保つのが重要だ。
WWD:チョコレートの新作を考える時のインスピレーション源は?
ニコラ:カカオの生産者との出会い。また、仕事で世界各国を旅する際に出合うさまざまな味や香り。香りや味は紙に書いておけないけど、頭の中にヴァーチャルな図書館を作って記憶に残しておく。テーマにぴったりはまるものを引きだしてチョコレートにするんだ。
WWD:スイスやベルギーとフランスのチョコレートの違いは?
ニコラ:スイスはミルクチョコレート、ベルギーはプラリネが得意。どちらもお菓子の感覚だけど、フランスのチョコレートの主流はダークチョコレート。ワインやシャンパンと楽しむ大人の感覚で楽しむチョコレートだ。また、フランスではクリスマスには欠かせないものだよ。
WWD:カカオ含有率に関しては?
ニコラ:最近、カカオの含有率を謳った商品が多くあり、含有率が高い程良いと思う人がいるようだけど、そうとは限らない。先ほども言ったけど、砂糖の割合によってアロマの出方が違うから。
WWD:今後チャレンジした素材や技法は?
ニコラ:僕らにはあまりなじみのない海藻を使ってみたい。オランジェット(オレンジピールをチョコレートでコーティングしたもの)と同じコンセプトを考えているよ。
WWD:バレンタインでイチオシのチョコレートは?
ニコラ:オランジュ パッション。パッションフルーツの酸味とマンゴの甘さが絶妙なバランスだよ。